たかが一本、されど一本 大谷翔平の”安打取り消し”で歴史的快挙も消滅 敵地で再び打撃成績総ナメへ仕切り直しだ(2024年5月25日『CoCoKARAnext』)

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好調を維持する大谷。打率は.348で両リーグトップをキープしている(C)Getty Images
 
 大谷マニアには不意を突かれたデイオフになった。ドジャースは現地5月23日(日本時間24日)は試合のないオフ。メジャーリーグ機構は同日、大谷翔平20日ダイヤモンドバックス戦の1回に投前へのセーフティーバントでマークした内野安打を、投手による失策に訂正すると発表したのだ。  

 

 

 レギュラーシーズンではエンゼルス時代の2022年4月のアストロズ戦以来2年ぶりで、昨年3月のWBCでも魅せていたバント安打。全力疾走する大谷の俊足が、ブランドン・ファット投手の悪送球を誘ったのは間違いないが、適切に処理していればアウトにできた打球と判断された。
 たかが1本、されど1本である。これによって大谷の今季安打数は70から69へと減った。この日2試合連続の4安打という固め打ちをみせたパドレスのルイス・アラエスが72安打とし、長く守り続けていた両リーグトップの最多安打から陥落してしまった。
 同じくOPSも1.059に下がり、こちらもアストロズのカイル・タッカーの1.060をわずかに下回ることとなった。
 前日22日にはちょうど50試合出場の節目を迎えていたため、MLB公式サイトのサラ・ラングス記者は「開幕50試合時点で打率.350、10本塁打、10盗塁以上は史上5人目」と伝えていた。打率は.354から.348へと下がり、この快挙も一夜明けたら消滅するはめに。1958年のウィリー・メイズ、1997年のラリー・ウォーカー、2005年のブライアン・ロバーツ、2018年のムーキー・ベッツの好発進に肩を並べたかと思いきや、肩すかしとなった。
 それでも打率は、依然として両リーグトップの座を守っている。13本塁打は、ナ・リーグトップのブレーブスのマーセル・オズナに2本差の2位。34打点はナ・リーグ6位タイだ。1つ減った127塁打も両リーグトップを堅持した。
 現地24日(日本時間25日)からは敵地シンシナティでレッズとの3連戦に臨む。先週末に本拠地で4連戦を戦ったばかりの相手で、9本塁打&31盗塁の22歳エリー・デラクルスとのスピードスター対決が日本のファンからも注目された。その4連戦では1本塁打1盗塁しながら、14打数3安打の打率.214だった大谷。敵地グレートアメリカン・ボールパークでは、過去に代打のみで2打席しか立ったことがない。(1安打して打率は5割)。本塁打が出れば初めてで、通算26球場目となる。再び各打撃成績総なめへ、オフでリフレッシュして仕切り直したい。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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