自転車の交通違反に反則金を納付させる、いわゆる「青切符」による取締りの導入を盛り込んだ改正道路交通法が17日、可決・成立しました。信号無視や携帯電話を使用しながらの運転などが対象となり、2年以内に施行されます。
16歳以上 113の違反行為が対象
改正道路交通法は、17日の参議院本会議で採択が行われ、全会一致で可決・成立しました。
改正法は、自転車が関係する事故が増加傾向にある中、車やオートバイと同様、交通違反に対して反則金を納付させるいわゆる「青切符」を導入するもので、16歳以上を対象に適用され、113の違反行為が対象となります。
このうち、信号無視や一時不停止、携帯電話を使用しながらの運転など、重大な事故につながるおそれのある違反について重点的な取締りが行われることになります。
また、これまで罰則の対象外だった自転車での酒気帯び運転について3年以下の懲役、または50万円以下の罰金が設けられました。
青切符による取締りは、公布から2年以内に施行される予定で、今後、反則金の金額などについて政令が定められます。
「青切符」導入の背景に “実効性ある取締りの必要性”
この中で、死亡や重傷事故になった7107件のうち73.2%にあたる5201件で自転車側に前方不注意や信号無視、一時不停止といった交通違反が確認されたということです。
現在、自転車の取締りの多くは、罰則を伴わない専用のカードを使った「警告」で、去年は全国でおよそ133万件に上りました。
一方、悪質な違反には交通切符、いわゆる「赤切符」が交付され、刑事罰の対象として検察庁に送られることになっています。
「赤切符」などで検挙されたのは4万4000件余りでしたが、違反者の多くは起訴されず、罰則が適用されるケースは少ないのが実態でした。
このため自転車が関係する事故が増加するなかで、実効性のある取締りとして「青切符」の導入が必要だと判断されたのです。
【詳しく】「青切符」適用の対象
「青切符」での取締りが適用されるのは16歳以上の利用者です。
最低限の交通ルールを知っていると考えられることや、原付き免許などを取得できる年齢であること、そして、電動キックボードを運転できる年齢であることなどが考慮されました。
また、対象となるのは113の違反行為で、このうち重大な事故につながるおそれのある違反を重点的に取り締まるとしています。