小池都知事の学歴詐称・隠蔽に「現千代田区区長が加担」と告発状…その全内幕(2024年4月18日)

「爆弾告発」のウラで

メール文章の信憑性

小島氏の結論
 だが、告発状の意味するところは大きい。小島氏が指摘しているように、A氏が書いた原案とフェイスブックに掲載された「カイロ大声明文」との違いは、小池氏が「最も気にしていた部分」である。

 小島氏は、「卒業名簿にその記載がある」という部分が削られた理由として、卒業名簿に名前があるかどうかに疑念が残るからではないかと推察し、「公正な審理と手続きを経てなされた」が削除されたのは、実際には審理も手続きもしていなかったから、と読む。

 また、二つ目の変更点として、A氏案の「日本、エジプト双方の法令に基づき適切な対応を検討している」から日本が削られて、「エジプト法令に則り」となっていることに関し、仮に日本で裁く場合、裁判所が小池氏に証言などの協力を依頼する可能性があるからではないか、と推察した。

 小島氏の結論はこうだ。

 <いずれにせよ声明文は、図らずも、私が発案して、A氏が文案を作成した。それに小池さん自身が修正を加えた>

  それをもとにこう結論付けた。

 <大学を卒業していない小池さんは、声明文を自ら作成し、疑惑を隠蔽しようとしたのです>

逃げ切りはありえない
 小島氏は取材依頼のあった記者を集めて、4月12日に弁護士会館で説明会を開き、17日には日本外国特派員協会で記者会見を行なって詳細に説明した。環境庁の官僚として水俣病問題に真剣に取り組んだ小島氏は、「詐称は許されず、小池氏のような都知事にして首相候補でもある有力政治家が、エジプトに弱味を握られてはならない」という強い思いで告発に及んだ。

 隠蔽工作に図らずも絡んだという忸怩たる思いもあり、告発は続けるだろうし、今は匿名のAさんが表に出ることも考えられよう。

 全ての責任を負うべきは小池氏だが、千代田区長という公職にある樋口氏の責任も重い。告発文が指摘するまでもなく、コロナ禍の緊急事態宣言下にも関わらず小池氏が、区長選において連日応援に駆け付けたのは異例なことだった。都議1期の実績しかない樋口氏が、自公が推薦する候補を大差で破ったのは、小池氏の応援の賜物である。

 それだけに、小池氏の隠蔽工作にどう加担したのか、小池氏からどんな指示を受け、A氏とどんなやり取りをしたのかを含め、説明責任を果たす義務がある。

 筆者は樋口氏のアドレスに改めて「取材依頼」のメールを送ったが返事はない。なにより樋口氏は、発売日以降、騒動を避けるように、この件に関して情報を発信していない。もちろん逃げ切りはありえない――。 ーーーー

 筆者連載〈【実名告発】「そういうことにしちゃったの?」「うん」と…小池百合子「虚飾の履歴」を50年間秘めていた「カイロ時代の同居人」の思い〉も、合わせてお読みください。

伊藤 博敏(ジャーナリスト)

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