書類を返送しないとマイナンバーがすべての預貯金の口座と強制的にひも付けられ国に管理されるとする不正確な情報が、旧ツイッターのXや動画共有アプリ「TikTok」で拡散されています。
デジタル庁は実際にひも付けるかどうかは利用者が選択でき、強制的にひも付けられることはないとしていて、不正確な情報に注意が必要です。
Xでは計3500万回以上も…
「口座管理法」で国が資産を監視?
複数の口座を登録した場合、相続や災害時の手続きが簡略化され、今後は例えば被災時に1つの金融機関から別の金融機関の預貯金を引き出せるようになるということです。
SNSには「国が国民の資産を監視できるようになる」などとする投稿も多くありますが、デジタル庁は否定しています。
デジタル庁「国が口座情報を確認できるのは法令に基づき、必要な税務調査などを行う場合に限られている。これらの調査などでマイナンバーを使って本人の預貯金口座を確認する可能性はあるものの、これらの調査など以外で確認することはできない」
「改正マイナンバー法」で強制登録?
国への登録については、書留郵便などで対象者に通知し、▽同意を得た場合か▽期限までに回答がない場合に同意したものとみなす一方、同意しないと回答した場合は登録されることはないとしています。
現在のところ、対象は年金を受け取っている人のみで、今後、日本年金機構から書留郵便で通知されますが、実際にいつから始めるかは決まっていないということです。
デジタル庁は「国が把握できるのは誰がどの金融機関の口座を公金受取口座として登録しているかだけで、個人の資産がわかるようになるものではない」としています。
専門家「国民に不信感や不安感が」
宮下教授「去年起きた公金受取口座の誤登録問題などで国民の間に生じたマイナンバー制度に対する不信感や不安感が依然として残っているのではないか」
さらに、政府の対応については。
宮下教授「マイナンバー制度は極めて複雑でデジタル庁が次々と新しい仕組みを拡大させており、国民に正確な情報が伝わっていない。デジタル化に不可欠なのは信頼だ。誤まった情報を否定するだけでは不十分で、利用者本位の制度設計をして、時間をかけて丁寧に対面も交えた情報発信をしていくことが大切ではないか」