共同親権法案、衆院採決で自民・野田聖子氏が「造反」 審議の性急さを指摘 与党などの賛成多数で可決(2024年4月16日『東京新聞』)

 
16日、衆院本会議を途中退席した自民党の野田聖子氏

16日、衆院本会議を途中退席した自民党野田聖子

離婚後は父母どちらかの単独親権とする規定を見直し、共同親権を選べるようにする民法改正案が16日、衆院本会議で与党などの賛成多数で可決された。起立採決で、自民党野田聖子総務相(岐阜1区)は起立せず、反対した。

◆「政党間のけんかみたいになっている」

党の方針に従わなかった理由について、採決までの国会審議が性急すぎるとした上で「法律をつくる側としては、調理されていないものを出されるような感じだった」と本紙などの取材に答えた。
法案への賛否に関しては「(心情的には)保留。賛成とか反対とかではなく、よりよい法律を提出したいと願っていた」と語った。
本会議の討論で、各党が互いを批判したことにも触れ「政党間のけんかみたいになっているのを聞いて、子どものための法律だったはずが、これでは私は賛成しかねるという思いにかられた」と語った。
野田氏は、共同親権の導入に慎重な立場をとる国会議員らによる超党派勉強会の発起人。ドメスティックバイオレンス(DV)などを理由に子連れで別居した人らから導入への懸念などをヒアリングしていた。今年2月の初会合では、海外で共同親権が一般的だという推進論に対して「(国際社会で一般的な)選択的夫婦別姓の導入は30年間放置されているのに、にわかに起きた共同親権の議論はどんどん進む。立法府の一員として違和感を覚える」と指摘していた。
野田氏は2005年、当時の小泉純一郎首相が推進した郵政民営化関連法案に反対し、05年9月の衆院選に無所属で立候補して当選。自民党は05年10月に離党勧告処分とし、野田氏は処分を受け入れて離党したが、06年12月に復党した。
また、立憲民主党と同じ会派に所属する社民党の新垣邦男氏(沖縄2区)は「法案に賛成できない」として採決時に退席した。(大野暢子、坂田奈央)
 
 

起立せず…野田聖子氏“異例の造反” 「共同親権」法案が衆院通過(2024年4月16日『テレビ朝日系(ANN)』)

 

離婚後の「共同親権」を認める民法などの改正案が衆議院を通過しましたが、自民党野田聖子議員は採決で起立せず、造反しました。

 野田議員は、共同親権の導入に慎重でした。取材に対して野田議員は…。

自民党 野田聖子衆院議員
「1つ言えるのは、きょうの討論を聞いていて、がっかりした」

立憲民主党 道下大樹衆院議員
「法案に反対の姿勢を貫いてほしいという気持ちもよく分かりますし、その方が潔いでしょう」

 これは、修正案に合意し、賛成にまわった立憲民主党の賛成討論です。

立憲民主党 道下大樹衆院議員
「この原案に反対を貫いたままだったら、何が起こるのかとても怖いものがある。今の政府や一部の政党議員に勝手なことをさせてはならない」

 野田議員はこう話しています。

自民党 野田聖子衆院議員
「子どものための法案であるはずが修正巡って、政党間のけんかのように聞こえたので、これでは賛成しかねると思った。落胆しました」

 法案は参議院に送られ、今の国会で成立する見通しです。

20代の人
「(Q.衆議院をさきほど通過)さきほど?そうですか。全然知らなかったです。もうちょっと悩む時間が欲しい」

60代の人
「一番大事なのは子どものこと。両方のお父さんお母さんが必要だろうと思うと、それ(共同親権)が自然な形にも思える」

30代の人
「DVとかあったりすると、むしろ関わりたくない人もいる。離婚しないように頑張ります」