【年金】4月15日にひとりで「60万円以上の年金」が支給されるのはどんな人?厚生年金の月額平均は14万3973円(2024年4月14日)

年金受給額には個人差があり、厚生年金の月額平均は14万3973円ですが、2ヶ月分の年金として「60万円」が支給される人もいます。

では、そんな「月額30万円以上の年金収入」がある人とはどのような方なのでしょう? 

今回は「ひとりで月額30万円以上」の年金収入がある方について詳しく見ていきたいと思います。

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厚生年金と国民年金の仕組みとは?
まずは年金の仕組みを確認しましょう。

日本の公的年金は、上記のように国民年金と厚生年金の2階建てになっています。

国民年金(1階部分)
 ・原則、日本国内に住む20歳以上60歳未満の全員に加入義務がある
 ・保険料は一律
 ・納付した期間に応じて将来もらえる年金額が決まる
●厚生年金(2階部分
 ・公務員やサラリーマンなどが加入する
 ・収入に応じた保険料を支払う(上限あり)
 ・加入期間や納付額に応じて将来もらえる年金額が決まる
日本の年金は2階建てとなっており、個人によって加入期間や種類が異なるため、将来の年金受給額には個人差が出てきます。

特に、会社員や公務員などが加入する厚生年金は、加入期間や現役時代に納めた保険料により将来の受給額が大きく変わるのが特徴です。

次回支給日は4月15日(月)!2024年の年金支給日一覧
年金支給日は2ヶ月に1回、偶数月の15日となっています。

ここでは、年金支給日のスケジュールを確認しましょう。

●2024年の支給日一覧
 ・2月の支給日:15日(12月、1月分)   
 ・4月の支給日:15日(2月、3月分) 
 ・6月の支給日:14日(4月、5月分)   
 ・8月の支給日:15日(6月、7月分) 
 ・10月の支給日:15日(8月、9月分)
 ・12月の支給日:13日(10月、11月分)  
2024年度の年金額は、昨年度に比べて2.7%の増額となっていますが、この増額分を受け取れるのは6月からとなっています。

なお、年金受給日である15日が土日祝日の場合は、その直前の平日が支給日となるため6月と12月は支給日が前倒しになります。

では、次章からはいよいよ羨ましい「月額30万円以上」を受け取っている人の割合を見ていきます。

記事後半では、厚生年金と国民年金の全体平均受給額についても紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。

【厚生年金】ひとりで「月額30万円以上」受け取れる人って?
一律の保険料を納める国民年金と違い、厚生年金は収入に応じた保険料を納めるため個人差が出やすくなっています。

では、厚生年金の平均月額はいくらでしょうか。厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参考に見ていきましょう。

●厚生年金の平均年金月額
 ・〈全体〉平均年金月額:14万3973円
 ・〈男性〉平均年金月額:16万3875円
 ・〈女性〉平均年金月額:10万4878円
国民年金部分を含む

全体は14万3973円で、女性よりも受給額の多い男性でも月16万円台となっています。30万円以上受給できるのは、かなり少数派と言っていいでしょう。

では、厚生年金をひとりで「月額30万円以上」受給する人は何パーセントいるのでしょうか。

●【厚生年金】受給額ごとの人数(1万円刻み)
 ・1万円未満:6万1358人
 ・1万円以上~2万円未満:1万5728人
 ・2万円以上~3万円未満:5万4921人
 ・3万円以上~4万円未満:9万5172人
 ・4万円以上~5万円未満:10万2402人
 ・5万円以上~6万円未満:15万2773人
 ・6万円以上~7万円未満:41万1749人
 ・7万円以上~8万円未満:68万7473人
 ・8万円以上~9万円未満:92万8511人
 ・9万円以上~10万円未満:112万3972人
 ・10万円以上~11万円未満:112万7493人
 ・11万円以上~12万円未満:103万4254人
 ・12万円以上~13万円未満:94万5662人
 ・13万円以上~14万円未満:92万5503人
 ・14万円以上~15万円未満:95万3156人
 ・15万円以上~16万円未満:99万4044人
 ・16万円以上~17万円未満:104万730人
 ・17万円以上~18万円未満:105万8410人
 ・18万円以上~19万円未満:101万554人
 ・19万円以上~20万円未満:90万9998人
 ・20万円以上~21万円未満:75万9086人
 ・21万円以上~22万円未満:56万9206人
 ・22万円以上~23万円未満:38万3582人
 ・23万円以上~24万円未満:25万3529人
 ・24万円以上~25万円未満:16万6281人
 ・25万円以上~26万円未満:10万2291人
 ・26万円以上~27万円未満:5万9766人
 ・27万円以上~28万円未満:3万3463人
 ・28万円以上~29万円未満:1万5793人
 ・29万円以上~30万円未満:7351人
 ・30万円以上~:1万2490人
国民年金部分を含む

厚生年金を「ひとりで月30万円以上」受給しているのは全体の約0.1%という結果になりました。

年金だけで月額30万円以上を受給するには、年収にしておよそ1200万円を約40年間維持する必要があります。

また年金支給は2ヶ月に1回であることから、年金だけで月額30万円を受給できる人は、4月15日に2ヶ月分である「約60万円」の支給がされることになります。

ただし支給額はあくまでも「額面」であり、ここから社会保険料や税金が天引きされます。「手取り」はこれよりも少なくなることに留意しておく必要があります。

毎年6月には「年金振込通知書」が送られるため、こちらの通知書で実際の振込額を確認するとよいでしょう。

国民年金(基礎年金)のみ」では月額平均でいくらか
先ほどの厚生年金は国民年金を含む平均月額でした。

では、1階部分の「国民年金部分だけ」の平均月額はいくらでしょうか。

国民年金(老齢基礎年金)の受給額
 ・〈全体〉平均年金月額:5万6316円
 ・〈男性〉平均年金月額:5万8798円
 ・〈女性〉平均年金月額:5万4426円
●【国民年金】受給額ごとの人数(1万円刻み)
 ・1万円未満:6万5660人
 ・1万円以上~2万円未満:27万4330人
 ・2万円以上~3万円未満:88万1065人
 ・3万円以上~4万円未満:266万1520人
 ・4万円以上~5万円未満:465万5774人
 ・5万円以上~6万円未満:824万6178人
 ・6万円以上~7万円未満:1484万7491人
 ・7万円以上~:178万3609人
国民年金のみでは5万6316円となりました。

厚生年金に比べると、国民年金のみで老後生活を送るのは難しそうです。

自営業者や専業主婦の方で「老後は国民年金のみ」という方については、現役時代から貯蓄で備えておく必要があるでしょう。

まとめにかえて
今回の記事で見てきたように、年金受給額が月額30万円を超える方は圧倒的に少数派で、大多数の方が受給額10万円~20万円の間となっています。

毎月の年金額が10~20万円台で、さらに年金が2ヶ月に1回の支給となれば、毎月の家計管理が重要になってきます。

年金に頼りすぎない老後生活にするためにも、まずは私的年金や積立預金で貯蓄をつくる工夫をしてみましょう。

自分の年金受給額について詳しく知りたい方は「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」を確認してみるのがおすすめです。

参考資料
 ・厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
 ・日本年金機構「大切なお知らせ、「ねんきん定期便」をお届けしています」
 ・日本年金機構「ねんきんネット」とは? 

鶴田 綾

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