2025年大阪・関西万博は13日、開幕まで1年となった。万博は関連費の膨張や会場建設の遅れが問題視され、前売り入場券の販売も伸び悩んでいる。政府は国家イベントと位置付けテコ入れを図るが、岸田文雄政権の基盤が揺らぐ中、永田町の関心は目先の政治日程に向きがちで、開催地・大阪との温度差は否めない。
万博の機運醸成をオールジャパンで進めていけるかが残された1年のカギとなる。 万博は令和7年4月13日から半年間、人工島の夢洲(ゆめしま)(大阪市此花区)で「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに開催。
会期中に約2820万人の来場を見込む。政府は今年3月、開催による経済波及効果が約2兆9千億円に上るとの試算を公表した。
ただ、万博を巡っては課題が山積している。会場建設費が当初想定額の約1・9倍の最大2350億円、運営費が約1・4倍の1160億円となるなど関連費が膨張。会場中央に約350億円をかけて建設する環状の大屋根(リング)が「無駄遣い」と批判を浴びた。
海外パビリオンの工事遅れも深刻だ。当初60カ国が自前で建設する「タイプA」パビリオンを目指したが、建設業者が決定しているのは11日時点で36カ国にとどまる。
昨年11月末には前売り入場券の販売が始まったが、今年4月10日時点で売れたのは約130万枚と、前売りで計画する1400万枚の10分の1以下であり、一層の機運醸成が求められる。
訪米中の岸田首相は13日の民放番組に中継で出演し、万博についてパビリオン建設などの課題を挙げつつ「各国が内向きになりがちな時代だからこそ、日本に集まって対話し、思いを1つにする機会を持つことは極めて重要だ。オールジャパンで一つ一つ乗り越え、意義ある万博を実現したい」と語った。
こうした中、万博を運営する日本国際博覧会協会は13日、東京都内で開幕1年前イベントを開き、会場で案内役などを務めるスタッフのユニホームを公表。パビリオンをそれぞれ担当する8人のプロデューサーが構想を披露した。万博の公式キャラクター「ミャクミャク」が今後は言葉を発することも明らかにされた。(井上浩平)
2025年大阪・関西万博は13日で開幕まであと1年となる。万博成功に懸ける思いをキーマンに聞いた。