お堅いイメージのある自治体で、職員の軽装を認める取り組みが進んでいる。鹿児島県は4月からネクタイやジャケットの着用を通年で自由化。鹿児島市や薩摩川内市も本格導入した。働きやすい職場環境を整えるのが目的だ。
10日午前、県財政課では多くの男性職員が上着なしのノーネクタイで仕事に励んでいた。榮浩志さん(35)は「最近は3、4月も暑い。ノージャケットだと仕事がはかどる」と話した。
県では、5~10月のクールビズ期間を除くと、男性職員は上着にネクタイ姿が慣例だった。又木寿文人事課長は「来庁者に不快感を与えないのが条件。少しでも気持ちよく仕事ができれば」と説明。採用試験の応募者数増加を期待する声もある。
昨年度から試行中だった鹿児島市や薩摩川内市、鹿屋市も業務の能率向上などを理由に4月から取り組みを始めた。鹿児島市は軽装に関するアンケートを2月に実施し、回答した職員の9割が賛成した。「リラックスして仕事ができる」など好意的な意見が寄せられたという。
宮崎県は採用の応募者が減っていることを受け昨年11月に始めた。目立った苦情はなく、担当者は「公務員に抱きがちな『堅苦しい』イメージを取り払える。多様性を尊重した選ばれる職場を目指していく」と話した。
南日本新聞 | 鹿児島