北海道庁の職員が道内選出の長谷川岳参院議員(自民)から威圧的な叱責(しっせき)を受けた問題で、札幌市の秋元克広市長は10日の定例記者会見で、「物言いがかなりきつく、職員が萎縮(いしゅく)するということが多々報告されている」と述べ、市職員も被害を訴えていることを明らかにした。今後について、「(長谷川氏は)市職員ではない」として、実態調査は行わないという。
秋元市長によると、市側が作成した資料に不備があった際に、長谷川氏から厳しく指摘されることがあった。自身がその場に立ち会ったこともあるといい、長谷川氏について「少し感情的になられる時がある」と説明した。
長谷川氏に対しては、秋元市長が過去に「(言動を)改めていただけないか」と依頼したことがあり、3月下旬に長谷川氏から電話があった時も同様の要請をしたという。秋元市長は「指摘の中身は妥当なものもある。今後の状況を見ていきたい」と述べた。
市によると、脱炭素社会を目指すGX(グリーントランスフォーメーション)の担当部署では昨年6月~今年3月、長谷川氏との会議や面会のため、少なくとも26回、東京に出張した。他の部署の出張回数は今後調べるという。