年金の支給額は実質的に目減り 新年度の社会保障 制度変更は(2024年4月1日『NHKニュース』)

 年金

 


 

新年度の4月1日から、年金や医療など社会保障の制度が変更されます。このうち年金の支給額は、前の年度より引き上げられますが、賃金の伸びより低く抑えられたため、実質的には目減りとなります。

公的年金の支給額は、毎年度改定されていて、このところの物価上昇率名目賃金の上昇率を踏まえて、4月分からは、前の年度より2.7%引き上げられます。

ただ、将来の給付水準を確保するための「マクロ経済スライド」と呼ばれる仕組みによって、賃金の伸びより低く抑えられたことから、実質的には目減りとなります。

一方、毎月支払う国民年金の保険料は、460円増えて1万6980円となります。

また、公的医療保険では、比較的収入の多い75歳以上の高齢者の保険料がこれまでよりも増えることになります。

年間の年金収入が211万円を超える人が対象で、保険料の上限も今の年間66万円から73万円に引き上げられます。

1人当たりの平均では年間4100円の保険料の増加が見込まれています。

高齢化に伴う現役世代の保険料負担の増加を抑制するためで、一部はこれまで現役世代が負担していた出産育児一時金の財源にも充てられます。