小林製薬「紅麹」問題 “初症例報告から自主回収まで2か月余”(2024年3月26日『NHKニュース』)

小林製薬」の「紅麹」の成分を含む健康食品を摂取した人が腎臓の病気などを発症した問題では、最初の症例の報告から自主回収の発表までに2か月余りかかっていて、会社は自主回収とともに健康被害の実態把握を急いでいます。

小林製薬は「紅麹」の成分を含む健康食品を摂取した人が腎臓の病気などを発症したことから、この成分を含む3種類の健康食品の自主回収を進めています。

会社によりますと、対象の食品を摂取した人や診察した医師から最初に健康被害が疑われる報告があったのは、ことし1月15日でしたが、会社が自主回収を発表したのは今月22日で、最初の報告から発表までには2か月余りかかっています。

これについて、会社は最初の報告の時点では「健康食品が原因となった可能性がある」とはわからず、調査に時間がかかったとしています。

会社によりますと、これまでに対象の商品を摂取し、体調不良を訴えて入院したと確認されたのは26人となっています。

相談電話には、多くの問い合わせが寄せられているということで、会社では健康被害の実態把握を急いでいます。

この問題では、会社が自主回収を進めている健康食品に使用しているものと同じ紅麹原料が、子会社を通じて取引先に販売され、食品などに使われたことが分かっていて、食品メーカーなどが自主回収する動きが相次いでいます。

武見厚労相 “発表までに2か月余 遺憾と言わざるをえない” 

武見厚生労働大臣は、閣議のあと記者団に対し、最初の症例報告から自主回収の発表までに2か月余りかかり、その間、行政への情報提供もなかったことについて「遺憾と言わざるをえない」と述べました。

そのうえで、「全国の自治体に対し、健康被害情報があれば報告するよう依頼するとともに、厚生労働省のホームページで回収などについての情報提供を開始した。大阪市などと緊密に連携し、原因の究明や適切な自主回収の実施など、健康被害の拡大防止を図っていく」と述べました。

 

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