小林製薬「紅麹」 腎疾患で1人死亡 新たに約50件入院の情報

 医療・健康

 

小林製薬」の「紅麹」の成分を含む健康食品を摂取した人が腎臓の病気などを発症した問題で、ことし、1人が腎疾患で亡くなっていたことを会社が明らかにしました。会社は、製品と死亡との因果関係が疑われるとしていて、詳しい調査を進めるとともに対象となる製品の使用を中止するよう呼びかけています。

また、会社は、相談窓口に入院したという情報が新たにおよそ50件、寄せられていることも明らかにしました。これまでに入院が確認された人は26人にのぼっています。

全国では紅麹原料を使った商品を自主回収する動きが相次いでいて、記事では自主回収を行っている商品についてもまとめています。

「紅麹コレステヘルプ」 3年間継続購入の1人亡くなる

 

小林製薬は、「紅麹」の成分を含む健康食品を摂取した人が腎臓の病気などを発症したことから、「健康食品が原因となった可能性がある」としてこの成分を含む3種類の機能性表示食品の自主回収を進めています。

会社によりますと、機能性表示食品「紅麹コレステヘルプ」を2021年4月からおよそ3年間継続して購入していた1人が亡くなっていたことが、遺族からの連絡でわかったということです。

今月22日に今回の問題を発表した直後から3000件を超えるメールが寄せられ、遺族からは今月23日の土曜日の夜にメールで連絡があったものの、週明けのきのうの(25日)月曜日まで確認が遅れたということです。

会社は製品と死亡との因果関係が疑われるとしていて、26日、遺族に会い、詳しいいきさつを確認することにしています。

新たに約50人「入院した」との情報

これとは別にこれまでに体調不良を訴えて入院したことが確認されたのは26人にのぼるほか、会社が設置した相談窓口には、26日午前10時の時点で入院したという情報が新たにおよそ50件、寄せられているということです。

会社は健康被害の実態把握を進めるとともに対象となる製品の使用を中止するよう呼びかけています。

この問題をめぐっては、会社が自主回収を進めている健康食品に使用しているものと同じ紅麹原料が、子会社を通じて取引先に販売され、食品などに使われたことが分かっていて、食品メーカーなどが自主回収する動きが相次いでいます。

亡くなった人の購入品の製造番号を公表

小林製薬によりますと、今回亡くなった人が継続して購入していたのは、会社が自主回収を進めている機能性表示食品「紅麹コレステヘルプ」です。

会社は、25日、想定していない成分が含まれている可能性がある製品の製造番号、18種類を明らかにしていて、亡くなった人は、このうち製造番号、▼X304と▼H306、そして▼E301を購入していたということです。

製造番号は、製品パッケージの裏面の左下に記載されていて、小林製薬は製造番号にかかわらずこの製品を回収するとしています。

  • 注目

「紅麹」商品の自主回収相次ぐ 品目は

全国では紅麹原料を使った商品を自主回収する動きが相次いでいます。

【サプリ系】

小林製薬は、会社で製造した「紅麹コレステヘルプ」、「ナットウキナーゼさらさら粒GOLD」、「ナイシヘルプ+コレステロール」の3つの健康食品を自主回収すると発表しました。

富山市の製薬会社「富山薬品」は、健康食品の「レッダームDX」と「ルーレンゴールド」の2つの商品について、販売先の全国の薬局に販売中止と自主回収の連絡を順次進めているということです。

福井県敦賀市にある食品メーカー「伝食」は、「祖の食庵納豆キナーゼ」を自主回収すると発表しました。

【食品・調味料系】

●東京に本社のある「紀文食品」は、「国産いか使用いか塩辛」など2つの商品を自主回収すると発表しました。「紀文食品」のホームページによりますと、会社が指定する送り先に商品を着払いで送れば、後日、購入代金を返還するとしています。

●大阪に本社がある「大塚食品」は、「あわ 紅豆腐」を自主回収すると発表しました。対象となるのは、賞味期限が再来年7月までのものです。

●栃木県日光市にあるパン製造・販売会社「金谷ホテルベーカリー」は、「いちごブレッド」「いちごロール」「春のあんぱん」の3つの商品を自主回収すると発表しました。会社では、対象の商品を購入した人に対し、日光市土沢にある本社まで商品を着払いで送るようホームページなどで呼びかけていて、後日、返金するとしています。

名古屋市の豆菓子専門店「豆福」は「豆だくさん」や「えびしおアーモンド」など13の商品の自主回収を決めました。当面は対象の商品の販売を休止するということです。

●福岡市博多区に本社のある商品の通信販売会社「ZEROPLUS」は、「悪玉コレステロールを下げるのに役立つ濃厚チーズせんべい」の自主回収を発表しました。すでに購入した人には食べずに返品するよう呼びかけています。

岡山県の「キミセ醤油」は、「五穀紅麹みそ」と「五穀炊き込み紅麹ごはん」の2種類の商品を、自主回収すると発表しました。使用された紅麹原料は、腎臓の病気などを発症したことが報告されたものとは、品番が異なるということですが、同じ工場で製造されているため、安全を期して回収することにしたとしています。

回収の対象は、▽みそはことし1月1日以降に購入されたもの、▽炊き込みごはんは賞味期限がことし6月1日以降のものとしています。会社では、商品が手元にある場合、着払いで送るよう呼びかけています。

大分県別府市にあるしょうゆメーカー、「フジヨシ醤油」は、「カトレアさんの元気みそ」と「みそカボスドレッシング」の2つの商品の販売を中止し自主回収すると発表しました。

会社によりますといずれも原材料の一部に小林製薬が製造した紅麹原料を使っていたということです。今のところ、健康被害などは確認されていないということですが、安全が確認されるまでの間は対象の商品の販売を中止し、製造年月日や賞味期限などに関わらず自主回収を続けるとしています。


●長野県に本社のあるみそメーカー「竹屋」は、「タケヤみそ『塩ひかえめ紅麹仕立て』」の販売を一時中止するとともに自主回収すると発表しました。この商品の販売は▽長野県諏訪市の直売所と、自社のホームページのオンラインショップのみで行っていたということで、スーパーなどに流通している商品はないとしています。

【酒系】

京都市に本社のある大手酒造メーカー「宝酒造」は日本酒の「松竹梅白壁蔵「澪」PREMIUM〈ROSE〉」、およそ10万本を自主回収すると発表しました。

●愛知県蟹江町の酒造会社「甘強酒造」は、「紅麹梅酒」の販売を一時的に中止するとともに自主回収することを決めました。

消費者庁 安全性再検証求める

消費者庁は紅麹を使った機能性表示食品として届け出ているサプリメントについて、会社側に対して、安全性を再検証して報告するよう求めました。

小林製薬」の「紅麹」の成分を含む健康食品を摂取した人が腎臓の病気などを発症した問題では、会社によりますと、これまでに対象の商品を摂取し、体調不良を訴えて入院したと確認されたのは26人に上っています。

消費者庁は、会社からの報告を受けて、会社が紅麹を使った機能性表示食品として届けているサプリメント8件について、安全性の根拠となる情報を再検証し、報告するよう通知しました。

また、消費者庁は、あわせて福岡市の会社「ZERO PLUS」についても、紅麹を使った機能性表示食品1件について、安全性の根拠となる情報を再検証するよう求めました。

いずれも回答の期限を来月(4月)5日としています。

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