札幌の同性婚訴訟 原告側が上告 賠償認めずの2審判断不服とし(2024年3月25日『NHKニュース』)

同性どうしの結婚が認められていないのは憲法に違反すると、2審として初めて認めた札幌高等裁判所の判決について、原告の同性カップル側は、賠償を認めなかった判断を不服として、25日、最高裁判所に上告しました。全国で起こされた集団訴訟で上告されるのは初めてで、最高裁判所の判断が注目されます。

同性どうしの結婚が認められていないのは憲法に違反するとして、北海道に住む同性のカップルが国を訴えた裁判で、2審の札幌高等裁判所は今月14日、憲法は同性間の婚姻についても異性間と同程度に婚姻の自由を保障しているなどとして、憲法に違反するという判断を示しました。

一方、国が立法の措置を怠ったとは認められないとして、賠償の訴えは退けました。

この判決について原告側は25日、不服として最高裁判所に上告しました。

札幌市に住む原告の1人、中谷衣里さん(32)は、「高裁の判決後も、国会で議論が進まない状況に、すぐに法整備はできないと感じた。最高裁違憲判決を得ることに意味がある」と話していました。

同性婚をめぐる集団訴訟は、札幌、東京、名古屋、大阪、福岡の全国5か所で6件起こされていて、これまでの1、2審の判決は、▽「違憲」が3件、▽「違憲状態」が3件、▽憲法に違反しない「合憲」が1件となっています。

上告されるのは今回が初めてで、最高裁判所の判断が注目されます。