派閥の政治資金パーティー裏金事件で、自身が会長を務めた二階派の事務局長や自らの秘書が立件されたことについて「政治責任が全て私にあるのは当然のことだ。政治不信を招く要因となったことに対し、改めて深くおわび申し上げる」と陳謝。
区割り変更に伴う次期衆院選の和歌山2区の後継候補については「地元の判断に任せる」と述べるにとどめた。(大野暢子)=記事末尾に主な一問一答
二階氏は会見で、野党から衆院政治倫理審査会への出席を求められても応じていない理由を問われたが、無言。会見に同席した二階氏の側近の林幹雄衆院議員が「既に派閥事務総長の武田良太氏が政倫審に出席した。二階氏は記者会見で全部つまびらかにしている。いちいち政倫審に出なくても分かっていただけると判断している」と代弁した。
◆質問の大半に林氏が代理回答
会見は党職員によってわずか10分ほどで打ち切られた。さらに、記者からの質問の大半に林氏が代理で回答して、二階氏は口をつぐむ場面が多かった。
それでも、終盤で不出馬の理由に高齢であることも含まれるかを聞いた記者に対し、二階氏が「おまえもその歳、来るんだよ」とすごんでみせる一幕もあった。
党が全所属議員に実施したアンケートでは、二階氏個人の不記載額は、党内最多の3526万円だった。二階氏の秘書は、派閥から約3500万円の寄付を受けたのに、二階氏の関連政治団体の政治資金収支報告書に記載せず、寄付の合計額を虚偽記入したとして略式起訴され、罰金100万円と公民権停止3年が先月確定した。
◆「いちいち政倫審でなくても」質疑応答で
二階氏の会見での主なやりとりは以下の通り。
記者 国会では野党の要請で政治倫理審査会が開かれている。二階氏も要求の対象になっていると思うが、なぜ出席しないのか。今後出席する考えがあるかについて教えてほしい。
(二階氏は答えず、同席した林氏が代わりに答える)
林氏 出席は自分の判断でしてますので、出席する必要がないと判断し、出席しませんでした。代わりに事務総長の武田議員が出席して全部お話をした通りでございます。
林氏 出席は自分の判断でしてますので、出席する必要がないと判断し、出席しませんでした。代わりに事務総長の武田議員が出席して全部お話をした通りでございます。
記者 (衆院政倫審に出席した二階派事務総長の)武田良太氏の説明では二階派で事実上の裏金が作られていた背景については、必ずしもつまびらかにはならなかった。国民のなかには二階元会長も出てきて、弁明するべきだという声がまだあるが、そういった国民の声についてはどのようにお考えですか。
林氏 二階会長に関しては全部もうつまびらかにして、ご報告を記者の皆様方にしてますし、そういった形でその使い道は明らかにしてますので、いちいち政倫審でなくてもわかっていただけるというふうに我々は判断してます。
二階氏 影響はありません。自らが決めたことです。
記者 岸田首相に出馬されないと伝えたということですけども、総理からどういう反応があったのか。
二階氏 総理に聞いてください。
林氏 いや、不記載。不記載と、政治不信を招いたということを今日申し上げた通りでございます。
二階氏 年齢の制限があるか?
記者 年齢制限はないんですけど。
林氏 そういうことじゃないです。
二階氏 おまえもその歳、来るんだよ。(横を向いて小声で)ばかやろう。