小野寺修二率いるカンパニーデラシネラの新作公演「the sun」が、昨日3月22日に東京・シアタートラムにて開幕した。
【舞台写真】カンパニーデラシネラ 新作公演「the sun」より。(撮影:鈴木穣蔵)
本作は、母親がろう者だったとされるアルベール・カミュの未完の自伝的小説をモチーフにした、"尊厳と誇りと家族"についての無言劇。出演者には、ろう者俳優の數見陽子をはじめ、丹野武蔵、大西彩瑛、鈴鹿通儀、藤田桃子、小野寺が名を連ねた。演出を小野寺、演奏を音曲師の桂小すみが担う。
開幕に際し、小野寺は「今作の出演者、ろう者俳優の數見陽子さんに聞いた話です。
『“マクドナルド”の手話は3本の指でMの形、それで伝わる。だからいざ文字で書こうとすると、濁点がどこに付くのだったか、一瞬躊躇する』。言語と思考・行動は密接に関わっていて、この場合(もちろん、逆の場合もあるはず)の、瞬間で伝わる手話という言語の世界に生きる數見さんと創作をすることは、自分の『あり』を疑うことでした。
新作はいつも未だ観たことのないものをと臨みますが、『かも』を積み重ねる稽古は、ただただ創造的、大海原に漕ぎ出す船のよう、喜ばしく未知に満ちた時間です」と思いを語った。 上演時間は約1時間10分。公演は明日3月24日まで行われる。
■ カンパニーデラシネラ 新作公演「the sun」
2024年3月22日(金)~24日(日) 東京都 シアタートラム 演出:小野寺修二 音楽:桂小すみ 出演:數見陽子、丹野武蔵、大西彩瑛、鈴鹿通儀、藤田桃子、小野寺修二