司法と冤罪(えんざい)を題材にした舞台「オセロの横顔」が東京都豊島区南池袋2のシアターグリーン・ボックスインボックスシアターで上演されている。演劇制作を手がける「Pカンパニー」の新作で、「人が人を裁くとは」「真実はどこにあるのか」と事件に向き合う弁護士らの葛藤が描かれる。
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舞台は東京・本郷の法律事務所。新米の女性弁護士が、国選弁護人として刑事事件を担当することになった。弁護する相手は女性でしかも小学校の元同級生。パートで勤める会社の男性経営者にけがをさせたというが、背景には男性からのセクシュアルハラスメントがあった。事務所を経営する弁護士に助けを求めたところ「民事事件しか引き受けない」とそっけない。かつて社会派の人権弁護士で知られ、冤罪が疑われた殺人事件では無罪を勝ち取った。なのになぜ、刑事弁護から遠ざかったのか――。
同作の作者で劇作家の山谷典子さん(47)は「検察側のバックには国家権力がある。そうした背景を含め、冤罪が生じる理由や司法、社会の問題点を描いてみようと思った」と話す。
Pカンパニーでは「罪と罰」をテーマに随時、作品を発表しており、今作は同シリーズの11作目。代表の林次樹さんや所属俳優のほか、小飯塚貴世江さん、脇田康弘さんらが客演。17日まで。詳細は同劇団のホームページ。【明珍美紀】
人が人を裁くこと
白か黒か決めること
白と黒の狭間に真実があること
真実は1つではないこと
事実・真実・無実・現実
山谷典子:新作 小笠原響:演出
2024年 3月13日(水) ~ 17日(日)
シアターグリーン BOX in BOX THEATER