サッカー伊東純也選手 性被害で告訴した女性2人に2億円超損害賠償求め提訴へ
サッカーの伊東純也選手の弁護団が、性被害を刑事告訴した女性2人に、2億円以上の損害賠償を求める裁判を起こすことが分かりました。
伊東純也選手をめぐっては去年6月、女性2人が大阪市内のホテルで同意なく性的な行為をされたとして、刑事告訴しています。女性側の代理人は「メッセージのやり取りなど客観的証拠がある」などと、コメントしていました。一方、伊東選手の代理人弁護士は、「虚偽告訴である」として刑事告訴していましたが、19日、女性2人に名誉を傷つけられたとして2億円以上の損害賠償を求めて裁判を起こす方針であることが分かりました。
伊東選手はカタールで開かれたアジアカップで日本代表から離脱していて、弁護士は「大会中に虚偽告訴が行われ、甚大な損害が生じた」などとコメントしています。
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伊東選手が女性2人を提訴 「虚偽告訴」損害賠償2億円余―大阪地裁(2024年2月19日『時事通信』)
訴状提出後、報道陣の取材に応じるサッカー日本代表・伊東純也選手の代理人弁護士ら=19日午前、大阪市内
サッカー日本代表の伊東純也選手=フランス、スタッド・ランス=から性加害を受けたとして、女性2人が大阪府警に告訴状を提出した問題で、伊東選手と同選手のパーソナルトレーナーが19日、虚偽告訴で損害を被ったなどとして、女性側に計約2億200万円の損害賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こした。
伊東選手側は訴状の中で、女性2人は伊東選手らに刑事処分を受けさせる目的で、酒を飲まされて性被害を受けたとする虚偽の告訴状を大阪府警に提出したと主張。その結果、スポンサーとの契約を打ち切られるなどの損害を被ったと訴えている。
伊東選手の代理人弁護士は提訴後、大阪市内で報道陣の取材に応じ、「女性らが行った告訴は、サッカーアジアカップ開催中に伊東選手を妨害する目的で行った、極めて悪質な告訴だと考えている」と述べた。
伊東選手を巡っては、2023年6月に女性2人が飲食を共にした後、大阪市内のホテルで性被害を受けたなどと「デイリー新潮」が報道。伊東選手側は府警に告訴状を提出した女性側について、「虚偽告訴」とする告訴状を提出。いずれも今年2月1日までに受理されている。
女性側代理人の話 被害者は誹謗(ひぼう)中傷するSNSなどの投稿、伊東選手代理人の発言による二次被害に苦しんでいる。法的手続きで被害が真実だと明らかにされるよう対応する。
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「被害者側の反訴で、伊東選手に逆に損害賠償が認められる可能性も」紀藤正樹弁護士、伊東純也側の民事提訴で私見(2024年2月19日)
旧統一教会問題を長年追及する紀藤正樹弁護士が19日、X(旧ツイッター)を連続更新。この日、サッカー日本代表の伊東純也選手(30)=スタッド・ランス=が、性被害を刑事告訴した女性2人に対し、2億円の損害賠償を求める民事訴訟を大阪地裁に起こしたことに私見をつづった。
最初の投稿でテレビのコメンテーターを務める国際弁護士の清原博さんが19日のテレビ番組で「言い方は悪いかもしれませんけど、ビビらせようかなという意図が伊東さん側にはあるのかな」と訴訟の意図を推測したコメントを発信。
続けて「なお裁判所で仮に不当な訴訟と認められると、市民には払いきれない2億円という巨額な賠償請求であることを考えると、最終的に裁判所で認定される真実の内容にもよりますが、被害者側が反訴請求をすることで、伊藤氏(原文のまま)、代理人の加藤博太郎弁護士にも逆に損害賠償請求等が認められる可能性もあります」などと指摘した。
その前のポストでは、報道した「デイリー新潮」ではなく、女性側のみを対象としたことに「メディアの取材源のみを訴える訴訟は典型的なスラップ類型の訴訟です。事実を見抜くプロであるメディアが掲載しなければ表面化しなかった事案ですから市民だけを提訴する訴訟は取材源とメディアを分断させる戦略が見え隠れし今後の同種の市民活動を萎縮させる懸念があります」と指摘。さらに「真実追求というなら、新潮側も合わせて訴えるのが筋で、取材源を守る立場である新潮の出方も、この訴訟では注目されます」と記した。
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清原博弁護士 伊東純也の2億円提訴の意図を推測「賠償受けたいなら新潮さんも含めた方が…」(2024年2月19日)
弁護士の清原博氏が19日、TBS系「ゴゴスマ~GO GO!smile~」(月~金曜後1・55)に電話出演し、性加害の疑いで刑事告訴されているサッカー日本代表MF伊東純也(30)が女性側を虚偽告訴の疑いで、約2億円の損害賠償請求訴訟を起こしたことについて自身の見解を示した。
伊東をめぐっては、1月31日にデイリー新潮が昨年6月、大阪市内で同意を得ないまま性行為に及んだ疑いを報じ、大阪府警が女性2人からの刑事告訴を受理したことが判明。一方、伊東の代理人弁護士は今月1日、性加害はなかったとして、虚偽告訴容疑の告訴状を府警に提出し、受理されていた。週刊新潮は「取材の結果、被害女性たちの訴えを真実と確信しております」とし、「今後も本件について取材を続けて参ります」などとしている。
伊東の代理人弁護士はこの日、「基本的には女性2名の証言だけで告訴が行われ、それによって告訴状受理のことが週刊誌に報じられたと。あたかも性加害があったかのような事実が一人歩きしてしまうような状況があった」と説明。報道後にスポンサー契約が終了するなど、多大な損害が生じたとし、大阪地裁にこの日、民事でも訴えを起こした。
伊東の弁護団によると、請求額はスポンサー報酬や放送が見送られたCM制作費、伊東がマネジメント会社に支払う損害賠償額、弁護士費用などの合計2億9425万円の一部。清原氏は「確かに被害の内訳を聞きましたから、2億円という損害は十分ありうると思いました」と、請求額には納得した様子だった。
一方で、民事提訴の相手が女性2人だけということには疑問を呈した。「2億円というのはかなり大きな額ですよね。本当に回収したい、賠償を受けたいと思うのであれば、女性2人だけではなく、会社である新潮さんも含めた方が、2億円を回復できる可能性がぐっと高まるわけですよね」と解説。
「ところが、新潮さんには訴えをしない。女性に対してだけに巨額の賠償を請求するということで、言い方は悪いかもしれませんけど、ビビらせようかなという意図が伊東さん側にはあるのかな」と推測した。
清原氏の考えでは、女性側から刑事告訴されていることが重いという。「伊東さんにとって一番怖い点は、刑事で告訴されている(こと)。準強制性交致傷罪で立件されたくはないという気持ちが強くて、女性側のした告訴を何とかして取り下げていただきたい、そういう思いから、女性側へのプレッシャーとして、2億円という賠償で民事の裁判を起こしたように、私には見えていますね」と自らの見立てを口にした。
清原氏によると、女性の訴えが認められて立件されれば、伊東は逮捕、起訴、さらに「仮に有罪となれば実刑、執行猶予の付かない実刑判決が出る可能性が高いです」という。そのため、「何としてでも刑事事件にはして欲しくない。ならば、女性側が出している告訴は取り下げてもらいたい。その代わり、示談という形で、女性たちと話し合いでこの件を解決できないだろうか?そういう方向に持って行きたいという戦略の表れで、今回の2億円提訴が行われているのではないか」と見通した。