インターネット通販大手のアマゾンジャパンの商品配送を請け負う配達員らは8日、東京都目黒区の同社前で就業機会の確保を求める抗議活動を行った。同社の1次下請けが2次下請けとの業務委託を打ち切り、多くの配達員が失業の危機に直面しているとして、参加した約20人が「雇用を守れ」と声を上げた。
抗議活動は、配達員が加盟する「東京ユニオン」などが主催。組合側によると、アマゾンから配達業務を委託された1次下請けの運送会社(横浜市)が、2次下請け業者(埼玉県川口市)に今年4月で契約を終えると通告した。
これを受け、2次下請けと契約する長崎県の配達員は、8日に長崎市内でストライキ。これに合わせて行われた都内の抗議活動で、参加者は「配達員の就業確保に協力して」と書かれた横断幕を持ち、「生活を守れ」と訴えた。長崎市から参加した配達員も「不当な扱いは許されない。話し合いの場を設けてほしい」(40代男性)、「憤りを感じる」(50代男性)とそれぞれ話した。
1次下請け業者は本紙の取材に「本件のコメントや個別の質問に対する回答は差し控えます。配送に特段の遅延はなく、お客さまには予定通りお届けできています」とメールで回答。アマゾンジャパンも「配送に遅延はなく、お客さまには予定通りお届けできております」と答えるにとどめた。(大島宏一郎)