障害の特性、理解促す発信を 盲ろう者らの団体、長野県知事と意見交換(2024年3月2日『信濃毎日新聞』)

 
障害への理解を深める情報発信などを巡り阿部知事(右)と意見交換する関係者ら=1日、県庁

 県は1日、県民と阿部守一知事が県政課題を話し合う「県政ティーミーティング」を県庁で開いた。聴覚障害失語症、視覚と聴覚に障害のある盲ろう者とその支援者らでつくる「共生社会の実現に向けてコミュニケーション障害を考える会」の有志7人が出席。障害の特性への理解を促すための情報発信の充実や支援者の処遇改善を求めた。

 会の代表で聴覚障害のある宮崎進さん(62)=NPO法人信州難聴者協会理事長=は、人工内耳や補聴器を使用しても音を正しく聞き取ることができず意思疎通が難しい―と説明。障害を理解する講演会など県のPRを求め、知事は「県民にきめ細かく伝えていくため、市町村と協力しながら行う」と応じた。

 手話通訳士の男性は、手話通訳士の正規雇用が少なく、なりわいとすることは難しい―と指摘。「県の正規職員として採用枠を設けてほしい」と求めた。県雇用の手話通訳士は10人いるが、全員が非正規の会計年度任用職員。知事は「支援する人たちの環境改善は必要であり、しっかり考えていく」と述べた。