アメリカ政府は自衛隊での性被害を実名で訴えてきた元陸上自衛官の五ノ井里奈さんに、「国際勇気ある女性賞」を授与すると発表しました。
アメリカ国務省は1日、男女平等や女性の人権擁護のために貢献した女性を表彰する「国際勇気ある女性賞」の受賞者を発表し、日本からは元陸上自衛官で、現職時代の性被害を実名で訴えてきた五ノ井里奈さんが選出されました。
国務省は五ノ井さんの実名での告発が「伝統的な日本社会ではタブー視されてきた問題に光を当てた」としたうえで「意義のある改革を求めた五ノ井さんに動かされ、自衛隊はより安全な職場の構築に取り組むようになっている」と授賞の理由を説明しています。 日本人の受賞は9年ぶり2人目で、五ノ井さんは4日、ホワイトハウスで開かれる式典でバイデン大統領のジル夫人とブリンケン国務長官から表彰される予定です。
米国務省は3月1日(米国時間)、陸上自衛隊での性被害を告発した元自衛官の五ノ井里奈さんに2024年の『世界の勇気ある女性賞(IWOC)』を贈ると発表した。
【画像】防衛省と陸上自衛隊の幹部から謝罪を受ける五ノ井里奈さん
米国務省は「日本社会ではタブー視されてきた問題に光を当てた。彼女の勇気は、被害を受けた無数の人たちがもはや沈黙の中で苦しむことなく、自らの体験を名乗り出ることを後押しした」と評価した。
授賞式は4日、ブリンケン国務長官とジル・バイデン大統領夫人らが出席し、ホワイトハウスで開かれる予定。
IWOCは2007年に創設され、これまでに90カ国190人以上の女性に贈られてきた。
日本人では、マタニティーハラスメントの被害者支援に取り組む「マタハラNet」を設立した小酒部さやかさんが2015年に受賞している。
五ノ井さんは2023年、米誌タイムの『次世代の100人』や英BBCの『女性100人』にも選ばれた。