振り向けば韓国…日本のGDP「4位に転落」だけじゃない 実はすでに「G7で最下位」の体たらく(2024年2月16日『東京新聞』)

 内閣府が15日に発表した2023年の名目国内総生産GDP、季節調整済み)の速報値は、ドル換算で4兆2106億ドルとなり、ドイツに抜かれて世界3位から4位に後退した。日本の1人当たりの名目GDPは、2022年の時点ですでに先進7カ国(G7)最下位に転落している。本紙の試算では、23年は前年より240ドルほど目減りしており、経済協力開発機構OECD)加盟国中21位だった22年よりも順位を下げる可能性がある。
 内閣府が公表しているOECD加盟国の比較によると、日本は12年には10位とドイツ(16位)よりも上だったが、アベノミクスによる円安などで13年から18~20位に沈下。1人当たりGDPではこの時から既にドイツに抜かれていた。
 歴史的な円安水準となった22年には、前年より6000ドルほど減少して3万4064ドルに。順位もG7で最下位だったイタリア(3万4733ドル)に抜かれて21位となり、比較可能な1980年以降で過去最低となった。
 
 日本の23年は、名目GDP4兆2106億ドルと総務省の人口統計(概算値含む)から算出し、3万3820ドルほどとなった。半導体の不振などで減速したものの経済成長を続ける韓国がすぐ後ろに控えている。
 一方、全体のGDPでは成長著しいインドや中国は、日本より人口が圧倒的に多いため、1人当たりでは分が悪い。(山田晃史)