内閣府が15日に発表した2023年の名目国内総生産(GDP、季節調整済み)の速報値は、ドル換算で4兆2106億ドルとなり、ドイツに抜かれて世界3位から4位に後退した。日本の1人当たりの名目GDPは、2022年の時点ですでに先進7カ国(G7)最下位に転落している。本紙の試算では、23年は前年より240ドルほど目減りしており、経済協力開発機構(OECD)加盟国中21位だった22年よりも順位を下げる可能性がある。
内閣府が公表しているOECD加盟国の比較によると、日本は12年には10位とドイツ(16位)よりも上だったが、アベノミクスによる円安などで13年から18~20位に沈下。1人当たりGDPではこの時から既にドイツに抜かれていた。
歴史的な円安水準となった22年には、前年より6000ドルほど減少して3万4064ドルに。順位もG7で最下位だったイタリア(3万4733ドル)に抜かれて21位となり、比較可能な1980年以降で過去最低となった。
一方、全体のGDPでは成長著しいインドや中国は、日本より人口が圧倒的に多いため、1人当たりでは分が悪い。(山田晃史)
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