日本テレビの昨年10月期ドラマ「セクシー田中さん」の原作漫画を描いた漫画家の芦原妃名子さん(享年50)が急死し、2週間が経過した。日テレはその間、詳細な説明をしておらず、SNSで疑問視されている。芦原さんは生前、ドラマの脚本をめぐって制作サイドとモメたとされた。
脚本家と制作サイドの関係改善についてはハリウッドの声が参考になりそうだ。
低予算で質の高いホラー作品で知られる製作会社「ブラムハウス」創始者で、米アカデミー賞にも関わるジェイソン・ブラムCEO(54)は芦原さんの訃報が飛び込んできた1月29日、脚本家と制作サイドの関係性について言及していた。
世界的な人気のホラーゲーム「ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ(FNaF)」を実写化した同名映画のプロモーションで来日。同作の試写イベントで同作がブラムハウス史上最大の興行収入を記録した理由を「原作の人気ゲームのクリエイター、スコット・カーソンがこの映画に深くたずさわってくれたことだね」と分析した。
「FNaF」は2014年に発売してヒット。廃墟の夜間警備員が、勝手に動き回り襲ってくる機械仕掛けの〝コワかわいい〟巨大マスコットたちから身を守るゲームだ。 その世界観をハリウッドが放っておくはずがない。ブラム氏が連絡を取った時、カーソン氏は他の製作会社と映画化を検討していた。
カーソン氏に警戒されたというブラム氏は1年近くかけて説得し、信頼を得た。 「完全に原作者を迎え入れ、この映画がどういうものになるべきか、彼が頭の中で描いている映像をうまく映画化するため、8年という長い時間がかかった」
カーソン氏が考えた脚本の草案を元に、ブラム氏と付き合いの長いエマ・タミ監督が脚本を書いた。本業の脚本家も加わり、3人で脚本を最終調整した。
カーソン氏は「このゲームの映画化に挑戦しようとした人は大勢いたけど、どれもゲームの世界観に合わなくてうまくいかなかった。作品を深いところまで理解し、すべての要素を1つにしてくれたのは、エマが初めて」と感謝した。
日本のドラマの制作サイドにもヒントになりそうだ。
東スポWEB