フジテレビ(C)日刊ゲンダイ
元SMAPの中居正広(52)のフジテレビ関係者女性との「9000万円トラブル」に端を発した問題で、「CM差し止めドミノ」の渦中にあるフジテレビ。差し止めを決定した企業は、トヨタ自動車や花王をはじめ、現在までに75社に上っており、続々と公益社団法人「ACジャパン」の公共広告に切り替えられている。
同時間帯視聴率で横並びトップを誇る同社の朝の人気番組「めざましテレビ」(22日放送)でも、75本のCMのうち、およそ86%にあたる65本がACジャパン(以下AC)のCMで占められていたと一部メディアで報じられた。
現在、X上では、「#フジテレビスポンサー不買運動」なるハッシュタグも登場し、「いまだにフジにCMを流している企業名」が挙げられている。〈性加害に寛容な企業と認識されてしまうリスクが分かってるのかな?〉などとも書き込まれているが、昨日には、キッコーマン1社提供の同社の長寿番組「くいしん坊!万才」が、26日の放送から、スポンサーの要請により放送を見送ることが明らかになった。スポンサーの出稿事情に詳しい民放テレビ局関係者はこう話す。
「このまま第三者委員会による報告が行われ、経営陣刷新などが行われない限りこの状態は続くでしょう。フジテレビにとっては、まさに兵糧攻めの状態です。その前に番組制作が実質的に不可能となり、フジテレビ自体が瓦解するリスクさえある」
背景には、2023年の「ジャニーズ性加害問題」で調査のために来日した国連の「ビジネスと人権の作業部会」が8月に公開した報告書で、日本社会に強く求めていた“人権デューデリジェンス(=HRDD、人権への悪影響を特定・防止・軽減する取り組み)”の考え方も影響していそうだ。
報告書では、国連は性加害などの人権侵害に対し、自治体やステークホルダーである企業が、積極的に「人権デューデリジェンス」をする必要があるとして、「日本の全企業に対し、積極的にHRDDを実施し、虐待に対処するよう強く促します」と提言していた。
「海外進出している企業は国際社会からの非難を恐れてはいますが、そんな高尚な理由でもありませんよ。企業は、自社製品の不買運動や企業イメージが傷つくことを恐れて、悪目立ちすることを避けるリスクヘッジのため、右に倣えで一斉にフジからのCM撤退に舵を切ったのです。異例の事態ですが、このままフジに出稿するスポンサーは限りなくゼロに近づいていく可能性はある」(前出のテレビ局関係者)
フジサイドはたまらず、23日に親会社である「フジ・メディア・ホールディングス」の臨時取締役会を開催することを明らかにしたが、ロクな調査もせず局員の関与を否定し、完全クローズドの舐めくさったお手盛り会見で逃げ切ろうとした隠蔽体質のツケが一気に回ってきたようだ。
テレビ局と芸能界の“ウィンウィン”の関係をいち早く構築したのがフジテレビだった(2025年1月23日『日刊ゲンダイ』)
中居正広の起こした女性とのトラブル。事件の発端となったフジテレビの港浩一社長の会見は火に油を注ぐことになり、批判の嵐にさらされている。視聴率でも低迷が続くフジに追い打ちをかけるような会社の危機。改めてフジの歴史を検証する──。
全盛期のフジは他局を圧倒する人気番組があった。ドラマでは“月9”に代表されるトレンディーブームをつくり、歌番組の「夜のヒットスタジオ」は世代を超え多くの人に支持された。「プロ野球ニュース」は野球中継を見逃したサラリーマンに好評だった。なかでもフジの好調を支えたのが数々のバラエティーだった。漫才ブームを牽引した「オレたちひょうきん族」。タモリが司会を務めた「笑っていいとも!」。港社長がプロデューサー時代に手掛けた「とんねるずのみなさんのおかげです」。後のAKB48ら女性アイドルグループブームのきっかけになったおニャン子クラブもフジから生まれた。中居正広のいたSMAPの「スマスマ」もフジの制作。型破りな番組づくりの一面もあったが、手掛けた番組で人気タレントも生まれた。
テレビ局と芸能界のウィンウィンの関係をいち早く構築したのがフジだった。中居のトラブルの原因になったといわれる接待。一般社会でもあるように、接待は円滑な関係を保つには欠かせない手段だ。新人を売り込む際は芸能プロ側がプロデューサーらを接待。時には女性タレントを同席させることもあった。逆に人気タレントになると立場は逆転する。テレビ局がタレントを接待する。接待は次第に常態化していく。中居は典型的なケースだったと想像がつく。
「日枝さんら経営陣一掃」訴えた古市憲寿氏「フジ出られなくていい」決死提言にX「よく言った」(2025年1月23日『日刊スポーツ』)
タレント中居正広(52)の女性トラブルを巡り、一部週刊誌でフジテレビ社員の関与が報じられている問題で、古市氏は同局に対して経営刷新を訴えた。
「このフジテレビの問題ってそのレベルではないと思ってて、もう企業の体をなしてないと思うんですよ。普通の企業ではあり得ないことが起こっている」と切り出した。そして「別にフジテレビに出られなくたってもいいから言うんですけど」と前置きした上で「フジサンケイグループ代表の日枝(久)さんを中心とする経営陣が1回全部どいてもらわないと、この問題は収束しないと思うんですよ」と語った。
さらに「普通に考えて、影響力のある企業として、87歳の方が数十年にわたって権力を持つ、いまだに人事権とか影響力を持つのはおかしいと思うんですよ。日枝さんもよくなかったし、それを許してきた会社の幹部もよくないかもしれない。経営陣が1回どいてもらわない限りは社会の信用は取り戻せないじゃないかと」と続けた。
古市氏は番組出演前にX(旧ツイッター)で「このあとフジテレビの#めざまし8にでます。いわゆるフジテレビ問題も扱うと思います」と宣言していた。Xでは古市氏のコメントに対しての書き込みが相次いだ。
「よく言ってくれた!! どこの会社も発表してほしいね 古市さんがすごくいい人と思った。小倉さんがよくやった!! って言ってくれるよ」「古市さんがフジ会長の話をされた後、司会者が話そうとした瞬間『あ、僕の話にのっからなくていいですから』と遮った時、古市さんが共演者に気遣っていらっしゃるのがよくわかりました」「すごい意気込み『フジテレビに出れなくなってもいいって』フジテレビ問題として話してくれてありがとうございます! 経営陣に1度退任していただきたいとのこと」「見ました。古市さんだからこその発言というか、切り込んでほしいところに言ってくださるのさすがです」などと書き込まれていた。