高円宮家の久子さま お気に入り「八咫烏」の青ネイル ネットでも人気の宮妃のエネルギッシュな「全力公務」とは(2025年1月12日『AERA dot.』)

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2024年の秋の園遊会に臨んだ高円宮妃久子さまは、務める名誉総裁職と公務の数が多く、忙しい皇族のひとり。園遊会で久子さまは常に、奥や隅に立つ招待者にも声をかけたり、手をふってあいさつをする=2024年10月30日、赤坂御苑、JMPA
 天皇、皇后両陛下をはじめとする皇室メンバーのなかでも、ひときわ忙しく活躍しているのが、高円宮家の久子さま(71)だ。文化・芸術の世界の人たちの支援に力を注ぐ久子さまは、公務や皇室行事でもファッショナブルな横顔を見せてくれる皇族のひとり。スポーツの支援者でもある久子さまは、サッカーW杯にあわせた「八咫烏」(ヤタガラス)のネイルがSNSで話題を集めたこともあり、そのユニークでエネルギッシュな人柄に人気が集まっている。
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 毎年春と秋に開かれる園遊会で、スタイリッシュな装いが光っているのが久子さまだ。
 春は鮮やかなロイヤルブルーの洋装、秋は躍動感のある流水文様が美しい裾濃(すそご)の訪問着。雨の園遊会では傘の色や柄まで計算し、絶妙なコーディネートを披露してきた。
 コロナ禍の公務では、帽子やスーツの共布で仕立てたマスクに、「絆」や「春」といったメッセージを込めた装いも話題になった。
 X(旧ツイッター)やTikTokInstagramなどのSNSには、久子さまの画像や動画が多く投稿されており、久子さま人気の高さが伝わってくる。
サムライブルーの応援ネイルの久子さま
 久子さまは、文化芸術に加えスポーツ振興にも力を注いだ故・高円宮さまの遺志を継ぎ、ハンドボール、バドミントン、フェンシングなど10を超える競技団体の名誉総裁を務めている。そんな久子さまの「応援ファッション」が注目されたのが、2022年のサッカーワールドカップ(W杯)カタール大会だ。
 久子さまは、サムライブルーをイメージした青のスーツに、ゴールキーパーがボールをキャッチしているイラスト入りのマスク姿。そして何より注目を集めたのが、華やかなネイルだった。
 指先には、サムライブルーの青を基調に、協会のシンボルマークである「ヤタガラス」を描いたネイルと、ブルーのリングが光っていた。
 久子さまの応援ネイルにフォーカスした画像をあげた「AFCアジアカップ公式」のSNSも話題に。
「ネイルまで気合に入った全力対応はさすが!」
 久子さまの応援ファッションといえば、06年のW杯ドイツ大会でも、やはりサムライブルーの青ネイルにサッカーボール形のイヤリング、サッカーボール柄のセカンドバッグも話題になったが、22年は「ヤタガラス」ネイルがはっきりと確認された。この完璧な準備に、ネット上には感激と称賛のメッセージがあふれた。
「サッカーの宮様」の愛称で親しまれた高円宮さまの逝去後、日本サッカー協会の名誉総裁を引き継いだ久子さまは、試合会場にたびたび足を運んでは選手を激励してきた。
 大学時代は写真部に所属し、月刊誌に写真エッセイを連載。『鳥と根付 春秋の物語 レンズを通して』などの著書も出している久子さまが、選手の雄姿をおさめようと本格的な望遠レンズを装着したカメラを構える凛々しい姿も定番になっている。
 そして、ときにはサッカーボールのイヤリングを着けて全力で応援する姿から、若い世代の間にファンを増やしている皇族のひとりだ。
「皇族で最も忙しい」とも言われる久子さま。高齢化が進む皇室のなかで、海外の王族の結婚式や式典などに出席して人脈を築き、体力の必要な海外公務を担ってきた皇族のひとりだ。
 そうした華やかな式典の場では、宮家に受け継がれるティアラを装着することもある。
 また、高円宮家の三女の守谷絢子さんが18年10月に都内で開いた結婚を祝う晩さん会では、久子さまがお持ちの首飾りを絢子さんがティアラとして着用されるなど、久子さまのジュエリー姿を楽しみにしているファンも少なくない。
 元日に天皇皇后陛下と皇族方が宮殿で臨む「新年祝賀の儀」では、女性皇族はローブデコルテとティアラの正装で臨むように、皇族として生まれた女性は成年となったタイミングでティアラを製作する。
 皇族方のティアラや装飾品の製作を手掛けてきた工房のひとつで、1969年創業の宝飾工房「アトリエマイエドール」によれば、ティアラを製作することになった内親王さまや女王さまは18、19歳とまだ若い。打ち合わせは、宝飾品について深い知識を持つ母である妃殿下が主導する形で進む。
 2006年に成年を迎えた長女の承子さまは、フェニックスの羽をモチーフにしたデザインをリクエストされたが、このティアラのデザインにも久子さまの美的センスが体現されている。
 一般的なティアラは左右対称のデザインだが、承子さまの宝冠はアシンメトリー(左右非対称)のデザイン。宝飾品に造詣の深い、久子さまならではのご提案だったという。
 次女の千家典子さんと、三女の守谷絢子さんのティアラや首飾りは、ミキモトが手掛けたが、こちらも優美なアシンメトリーのデザインに仕上がっている。こうしたところからも、文化芸術の支援者である久子さまの美意識と宝飾品への造詣の深さが伝わってくる。
■クリスマスのブローチ
 昨年12月21日、久子さまは都内の百貨店で開かれた「報道写真展」を鑑賞された。
 日本フェンシング協会の名誉総裁を務める久子さまは、五輪の写真が展示されたコーナーでフェンシングの写真を見ながら、
「よかったのは、各種目でメダルが取れたことですね」
 などと話し、皇室の写真が展示された場所では、天皇ご一家が栃木県の御料牧場で静養された際のパネルを前に、
「自然な笑顔にお三方の関係性がよく表れて」
 とにっこり。
 そんな久子さまの胸には、クリスマスリースをモチーフにしたブローチが光っていた。
AERA dot.編集部・永井貴子)