巨大地震で何度も起きた悲劇…大震災で日本人の命を奪う「意外なモノ」の正体(2025年1月5日『現代ビジネス』)

 
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2024年1月1日、能登半島地震が発生した。大地震はいつ襲ってくるかわからないから恐ろしいということを多くの人が実感した出来事だった。昨年には南海トラフ「巨大地震注意」が発表され、大災害への危機感が増している。
もはや誰もが大地震から逃れられない時代、ベストセラーの話題書『首都防衛』では、知らなかったでは絶対にすまされない「最悪の被害想定」が描かれ、また、防災に必要なデータ・対策が1冊にまとまっている。
(※本記事は宮地美陽子『首都防衛』から抜粋・編集したものです)
ブロック塀が命を奪う
巨大地震の発生時、住宅の崩壊や火災などに備える人は多い。
それ以外にも、コンクリートブロック塀が人の命を奪う事故がたびたび起きている。
〈大地震によるブロック塀などの倒壊被害は後を絶たない。
1978年の宮城県沖地震ではブロック塀や門柱が倒壊し、18人が犠牲となった。2005年にも福岡県西方沖地震で塀が倒れ、1人が命を失っている。
危険なブロック塀は地震の揺れに脆く、崩れる。最も危ないのは古い壁の上にブロック塀を増設した場所で、頭上より高い地点からコンクリートの塊が頭に降ってくるケースだ。
2016年の熊本地震の際は、所有者の自宅敷地の境界線付近に設置されたブロック塀が前震で倒れ、下敷きになった29歳の男性が亡くなり、1人が負傷した。
2018年の朝に起きた大阪府北部を震源とする地震では、大阪府高槻市の小学校でブロック塀が倒壊し、登校中の小学4年生の女児が亡くなっている。高さ約1.9メートルのプール基礎擁壁に1.6メートルのブロック塀を積み上げており、建築基準法施行令に違反していたという。〉(『首都防衛』より)
コンクリートの塊が頭に降ってくる事故に遭わないために、どうしたらいいのだろうか。
危険ブロック塀のチェックポイント
ブロック塀かどうかを見分けるポイントを紹介しよう。
国土交通省が示す危険ブロック塀のチェックポイントは、(1)塀は高すぎないか(地盤から2.2メートル以下か)、(2)塀の厚さは十分か(10センチ以上か)、(3)控え壁(塀に直交して突き出した壁)はあるか、(4)コンクリートの基礎があるか、(5)塀に傾き、ひび割れはないか、(6)塀に鉄筋は入っているか──の6点だ。これらの一つでも問題があれば「危険な塀」と考えられる。〉(『首都防衛』より)
『首都防衛』では、首都直下地震南海トラフ巨大地震、富士山噴火という過去にも起きた「恐怖の大連動」に備える必要性を説く。常に最悪のシミュレーションを頭に描きながら「そのとき」に備えたい。
つづく「『まさか死んでないよな…』ある日突然、日本人を襲う大災害『最悪のシミュレーション』」では、日本でかなりの確率で起こり得る「恐怖の大連動」の全容を具体的なケース・シミュレーションで描き出している。

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首都防衛 (講談社現代新書) 新書 – 2023/8/23
宮地 美陽子 (著)
首都直下地震南海トラフ巨大地震、富士山大噴火……
過去にも一度起きた「恐怖の大連動」は、東京・日本をどう壊すのか?
命を守るために、いま何をやるべきか?
最新データや数々の専門家の知見から明らかになった、
知らなかったでは絶対にすまされない「最悪の被害想定」とは――。
【本書のおもな内容】
●320年ほど前に起きた「前代未聞の大災害」
●首都直下地震帰宅困難者453万人、6000人が犠牲に
●朝・昼・夕で被害はどれだけ違うのか?
南海トラフが富士山噴火と首都直下地震を呼び起こす
●なぜ「足立区」が一番危ないのか?
●「7秒」が生死を分ける、半数は家で亡くなる
●大震災で多くの人が最も必要と感じる情報とは?
●国や都の機能が緊急時に「立川」に移るワケ
●そもそも地震は「予知」できるのか?
●「内陸直下の地震」と「海溝型の地震」は何が違うのか?
●エレベーター乗車前に「すべきこと」
●半年に1度の家族会議をする地震学者
●なぜ「耐震改修」が進まないのか?
弾道ミサイルから逃げられない事情
●天気はコントロールできるのか……ほか
【目次】
はじめに 最悪のシミュレーション
第1章 首都直下地震の「本当の恐怖」
第2章 南海トラフ巨大地震は想像を超える
第3章 大災害「10の教訓」
第4章 富士山噴火・気象災害・弾道ミサイル