県警の津田隆好本部長は、先週 県議会で当時の捜査について経緯や実態の確認を進めていることを明らかにしましたが、これに対し9日、弁護団はこの検証作業に協力したいと表明した上で、ねつ造が認定された証拠「5点の衣類」についても細かく検証するべきだと県警に申し入れました。
(小川秀世 弁護士)
「判決で、違法行為が/はっきりと認定された部分がいくつもあるわけですよね。そういうことについて改めて県警でも確認をしたうえで、それに対する対策を真剣に考えていただきたい、それでないと、袴田事件が何の成果も得られなかったということになりかねないですから。」
1966年の静岡県一家4人殺害事件で再審無罪が確定した袴田巌さん(88)を巡り、県警が実施している事件当時の捜査の事実確認について、袴田さんの弁護団は9日、犯行着衣とされ、有罪判決の根拠となった「5点の衣類」が証拠化された経緯などを、詳しく検証するよう求める申し入れ書を県警に出した。
県警の津田隆好本部長は5日の県議会で、事実確認をし、結果を公表すると述べた。県警によると、10月下旬から刑事部長以下約20人の態勢で当時の捜査員に聞き取りなどをしているという。
記者会見した小川秀世弁護士は「再審判決で違法行為が認められている。事実を確認し、対策を真剣に考えてもらいたい」と話した。
静岡県議会では12月5日から質問戦が始まりました。質問に立った議員からは無罪が確定した袴田巖さんへの当時の県警の捜査について検証を求める声があがり、県警本部長は検証を行い結果を公表すると明らかにしました。
5日から始まった県議会12月定例会の質問戦。
議題にあがったのは袴田巌さんへの県警の当時の捜査についてです。
58年前に当時の清水市で一家4人が殺害された事件を巡っては、袴田巖さんの無罪が10月に確定し、県警の津田隆好 本部長も当時の取り調べに問題があったことを認めています。
こうした中、5日は自民改革会議の大石健司 議員が当時の捜査についての検証を求めました。
自民改革会議・大石健司 議員:
無罪判決で厳しく指摘された内容をしっかりと検証し、警察組織全体の教訓とすべき。県警では具体的にどのように事実確認を行い、今後の適正な捜査につなげていくのか
これに対して津田本部長は約20人体制で元捜査員や関係者らに当時の捜査の実態などの聞き取りを行っていると明らかにし、検証内容は公表する予定と答えました。
県警・津田隆好 本部長:
判決で捜査機関の捜査に対して、非常に厳しい指摘がされたと承知している。
今回の事実確認の中で現在の捜査へ教訓とする事項があれば、しっかりと受け止め、より一層緻密かつ適正な捜査に活かしたい。現在行っている事実確認が終了した際にはその結果を公表したい
県警は「可能な範囲で事実確認を進める」としています。