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【このトピックのポイント】
・防衛費増額に伴う増税に野党はいずれも反対するも、増額そのものについては意見が分かれる
・高齢者の医療費の自己負担割合と公的年金の問題は社会構造の変化のなかで避けて通れない議論
日米地位協定は日本における米軍の取り扱いについて包括的に定めた協定で、1960年に日米間で締結されました。
この協定によって、公務中の米軍関係者が日本で刑事犯罪を起こしても日本の法律が適用されません。そのため、特に沖縄での米軍兵士による犯罪が十分に裁かれていないのではとの指摘があります。
一方で、日本の司法制度下では容疑者の取り調べに弁護士の立会いがありません。そういった点が米軍兵士の司法に対する不信感につながっており、アメリカからは日本の司法制度をグローバルスタンダードに合わせるべきとの声もあります。
自民党はこのテーマに対し消極的な姿勢を続けてきましたが、石破茂総理は総裁選期間中から日米地位協定の見直しに言及。鈴木編集長は「石破さんが自民党の総裁としてこれを掲げたというのは大きなターニングポイントだと思います」とコメントしました。
日米地位協定の見直しなどについて各党にアンケートを行ったところ、自由民主党・公明党は石破総理の考えを反映して「やや賛成」と回答。みんなでつくる党は「やや賛成」で、ほかの政党はすべて「賛成」との回答でした。
日米地位協定の改定は見直すべきとの方針が一致しているが……?
進め方や温度差に違いはあっても、いずれの政党も「見直すべき」との考えは一致しているようです。
司法制度の問題点については各党そこまで意見の違いは見られないものの、米軍基地のあり方については与野党で意見が分かれており、今後の議論のポイントとなりそうです。
防衛費増額に伴う増税の是非。各党のスタンスは?
もう一つの争点として、鈴木編集長は防衛費増額に伴う増税の是非に言及。
防衛費を増額することについては2022年にすでに決定していますが、その財源についてはまだ結論が出ていません。
鈴木編集長はこの財源について、2022年の参院選で示すべきであったと指摘。「政策立案としては極めて無責任」とコメントしました。
それ以外の政党はすべて「反対」ですが、その詳細はそれぞれ違いがあります。
高齢化が進行する中、高齢者の医療費の自己負担割合を増やすべきか?
「中立」と答えたのは自民党・公明党・みんなでつくる党。高齢者対策大綱で検討することを打ち出した自公がこのような回答になった理由について、鈴木編集長は「党内で議論が成熟しているわけではないし結論が出ているわけではない」と解説しました。
この争点について鈴木編集長は「(高齢世代と現役世代の)二元論にしないほうがいい」とコメント。社会を維持するために負担のバランスは必要に応じて変えていく必要があり、高齢化が進む中で避けて通れない議論であると続けました。
公的年金を積立方式に移行すべき?賛成、反対双方の意見は?
現在は現役世代が支払った年金を高齢世代が受け取る賦課方式が採用されています。積立方式に移行すると、自分が現役世代に払った年金を高齢世代になってから受け取る自己完結型の制度になります。
日本維新の会が積立方式への移行を提起している背景として、少子高齢化が進むなかで賦課方式を続けると、世代間で格差が生じてしまうという点があります。実際に、今の現役世代は今の高齢世代よりも受け取れる年金は少なくなるという予測がされています。
一方で積立方式はインフレに弱く、支払いから受取までの間に物価が上がってもその上昇分は受取金額に反映されません。
賦課方式と積立方式は、どちらもメリット・デメリットがある制度で、どちらがより今の社会状況にマッチしていると見るかがそれぞれの政党の意見の分かれ目になっているようです。
また、賦課方式から積立方式に移行するには現役世代が現在の高齢世代を支えつつ自身の老後の年金を積み立てなければならないという問題があり、現実的に移行することはできないと指摘する政党もあります。
MC伊藤由佳莉「先送りされがちな問題になってしまうということなんですね」
ただ、様々なシミュレーションにおいて、今のままでは現役世代が年金だけで暮らしていくことは難しいのが実情。鈴木編集長は「ここにはやっぱりメスを入れていかなければいけない」とコメントするとともに、年金に対する認識を改める必要性にも言及しました。