おかしくない? 県警の〝お目付け役〟を県警が推薦…不祥事続きの鹿児島で、県議が投じた疑義に知事が応えた「公安委員の候補者選びに主体的関与」(2024年10月12日『南日本新聞』)

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鹿児島県警本部庁舎
 鹿児島県警の一連の不祥事を巡り、県公安委員会のあり方について問題提起されている状況を踏まえ、塩田康一知事は11日の定例会見で、今後は委員の候補者選びに県が主体的に関与するよう検討すると明らかにした。候補者の幅を広げる目的。一方、公募制導入には否定的な見解を示した。
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県警不祥事関連で答弁する県公安委員会の石窪奈穂美委員長=9月18日午前、県議会
 委員選出にあたっては、県警から提供される候補者の参考情報を県が聞き取り、選考するのが慣例となっている。その後、議会の同意を得て任命する。
 選出過程を巡り、9月19日の県議会代表質問で、秋丸健一郎議員(県民連合、霧島市姶良郡区)が「管理される県警側が管理する人を推薦するような仕組みは疑問」として、公募制導入の検討を提言していた。
 塩田知事は会見で、「(県警からの情報ではなく)県側で候補者を探し、選出する方法を検討していく」と述べた。公募については、透明性を確保しつつ不特定多数から適正な人材を選ぶのは難しいとして、「直ちに実施する状況にない」と難色を示した。
 公安委員は非常勤の3人からなる。3年任期で2回に限り再任できる。県警総務課などによると、1948年以降38人が選ばれた。内訳は会社役員など19人、医師5人、弁護士4人、大学教授3人、その他7人。