張本勲さん「ようやく世界に発信してもらえる」、美輪明宏さん「あの光景を忘れることはない」…被爆した2人が談話(2024年10月11日『読売新聞オ』)

張本勲さん(2016年撮影)と美輪明宏さん
 ノルウェーノーベル賞委員会は11日、2024年のノーベル平和賞被爆者団体の全国組織「日本原水爆被害者団体協議会(被団協)」(事務局・東京)に授与すると発表した。発表を受け、広島市長崎市でそれぞれ被爆した、元プロ野球選手の張本勲さんと歌手・俳優の美輪明宏さんが談話を寄せた。
キャプチャ
広島市出身で5歳の時に被爆した元プロ野球選手、張本勲さん(84)の話
「私は原爆で大好きだった姉を1人、亡くしている。この賞で、ようやく世界に向けて被爆の現実を発信してもらえると思う。ニュースを聞いて万歳した。ノーベル賞委員会には本当に感謝したい。今、外国では戦争が起きている。私は個人として最後のメッセンジャーとして、これからも戦争の悲惨さを伝えていきたい」
長崎市出身で10歳の時に被爆した歌手・俳優の美輪明宏さん(89)の話
「私は爆心地から約4キロ離れた家の奥にいて助かったが、街は燃え、外は死にゆく人々の阿鼻叫喚(あびきょうかん)だった。あの光景を忘れることはない。最近はロシアがウクライナを侵略し、イスラエルの問題もあり、戦争が絶えない。そういう時に、ノーベル平和賞という、平和をたたえる賞が贈られることは大変有意義だと思う」