自民「不記載」議員は原則公認で調整…衆院選公約案6本柱、政治資金問題「厳しく反省」(2024年10月4日『読売新聞』)

 自民党の次期衆院選公約案の全容が判明した。派閥の政治資金規正法違反事件を厳しく反省し、「ルールを守る」などの6本柱を掲げた。党執行部は事件に関係して処分した旧安倍、旧二階両派の衆院議員らについては、地元の要請や再発防止の誓約書提出などを条件に、選挙で原則公認する方向で調整に入った。
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 公約案は、〈1〉ルールを守る〈2〉暮らしを守る〈3〉国を守り、国民を守る〈4〉未来を守る〈5〉地方を守る〈6〉新たな時代を切り拓(ひら)く――の6本柱で構成した。
 「ルールを守る」では、政治資金問題について「厳しい反省と強い倫理観のもとで不断の政治改革、党改革に取り組む」と強調。調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)の使途公開や未使用分の国庫返納などに取り組む考えも示した。
 「暮らしを守る」では、低所得者世帯に給付金を支給することなどを記した。「国民を守る」では、台湾有事が「現実の課題となりつつある」との認識を示し、防衛力の抜本的強化を進めるとした。石破首相(党総裁)が総裁選で改定を訴えた日米地位協定に関しては、「あるべき姿を目指す」との表現にとどめ、持論の「アジア版NATO北大西洋条約機構)」の創設には触れなかった。
 「未来を守る」では高等教育の無償化を、「地方を守る」では企業の本社機能などの地方分散の推進を主張した。「新たな時代を切り拓く」では、憲法改正の早期実現をうたった。
 一方、党執行部は事件で不記載があるなどして、今年4月に処分した議員らのうち、地元組織から公認候補予定者としての申請があり、本人が再発防止を約束する誓約書を出した場合、基本的に公認を出し、比例選への重複立候補も容認することを検討している。
 党員資格停止1年となった下村博文・元文部科学相西村康稔・元経済産業相については、公認はしない方針だ。

自民、裏金議員を公認で調整 次期衆院選で 党内融和を優先(2024年10月4日『毎日新聞』)
 
 自民党は派閥の政治資金パーティー裏金事件で処分を受けた議員らについて、次期衆院選で原則として公認する調整に入った。非公認には反発が強く、党内の融和を優先させる。
 石破茂首相は1日の就任記者会見で「選挙区において、どれくらいの支持をいただいているのか把握しながら決定する。公認権者である私自身が国民の納得を頂ける説明をする」と話していた。
 8月に党総裁選へ立候補表明する際は、公認の是非について「選挙対策委員会で徹底的に議論する」と述べ対応に注目が集まっていたが、石破政権の党執行部では非公認に慎重な意見が大勢を占めている。
 ただし、世論の反発は強い。毎日新聞と社会調査研究センターの全国世論調査では、裏金事件で問題となった議員を公認するとしたら「納得できない」との回答は70%に上っている。