「議員票1位、党員票3位、胸を張って堂々と(陣営の選対事務所に)戻ってこられた。皆さんが使ってくれた時間を、何倍にもお返しできるように頑張っていきたい」
しかし、報道各社の調査によると、他の総裁選候補と臨んだ討論会を重ねるごとに失速の傾向が強まっていった。選挙戦中盤に地方創生などに関する追加公約を発表したが、勢いは取り戻せなかった。
小泉氏を支援した若手議員は解雇規制の見直しなどを念頭に「政策の打ち出し方を誤らなければ勝っていた」と悔やむ。
特に、これまでの家族観を変える選択的夫婦別姓制度の早期導入は、保守層の警戒を招いたとの見方が根強い。
史上最年少首相の誕生は党員の厚い壁に阻まれた。小泉氏は記者団に「この糧を次の一つ一つに生かしていきたい」と意気込んだ。(竹之内秀介)
27日に投開票された自民党総裁選に地元の小泉進次郎元環境相、河野太郎デジタル相が立候補して注目度が高まっていた神奈川県では、新総裁への選出がかなわず支持者らにため息が広がった。とりわけ小泉氏は有力候補の1人とされてきただけに関係者の落胆も大きかったが、「次につながる堂々の3位」などと今後に期待する声も上がった。
「もっと支持が得られると思ったが、広がりを欠いた」。小泉氏支持を表明し、積極的に支援してきた自民横浜市連の佐藤茂市連会長は全国の党員・党友による投票をベースにした党員票が61票だったことに落胆をにじませた。
10日に小泉氏が市役所を訪れ、自民市議団に支援を要請した。佐藤氏によると、市連所属の国会議員、地方議員のうち、60人強は小泉氏支援を決め、佐藤氏を会長とする有志の会を立ち上げて応援活動を展開。地元の党員に電話をかけ続けた。
「最後の最後まで一生懸命やります」。世論調査などで支持が伸び悩む状況が伝えられる中、佐藤氏は小泉氏から電話でこう告げられたという。
佐藤氏は「次につながる堂々の3位。進次郎さんはまだ若い。自信を持って次に向けて精進してほしいし、一生懸命支援したい」と語り、新総裁に選出された石破茂氏には「答弁もしっかりしていて、安定感がある。ぜひ自民党の党風を刷新していただきたい」と期待した。
自民県連の梅沢裕之幹事長は「県内から2人の総裁候補が出たことは大変誇らしいことだったが、結果として、勝つことができなかった。2人にとって、新たな出発だと思う」と語った。