自民総裁選 人口減少への対応などめぐり論戦【日曜討論】(2024年9月22日『NHKニュース』)

 


自民党総裁選挙の候補者はNHKの「日曜討論」に出演し、急速に進む人口減少への対応や東京一極集中を是正する方策などをめぐって論戦を交わしました。

候補者9人のうち林官房長官は石川県能登地方の大雨対応にあたっているため、番組には陣営の選挙対策本部長を務める田村元厚生労働大臣が代理で出演しました。

この中で
高市経済安全保障担当大臣は「企業の本社機能は東京の方がよければ置いておけばよいが、研究開発拠点や中核的な製造拠点をインセンティブをもって地方に移してもらうことや、地方の魅力ある研究大学を応援する政策をしっかり拡充したい」と述べました。

小林鷹之氏は「地方で雇用の機会をつくり所得の水準を底上げしていくことが重要だ。新たな産業のかたまりを地方につくり、農林水産業や中小企業、保育、介護、看護などの所得を上げる。地方でも質の高い教育環境をつくり、地方の活力を引き出したい」と述べました。

▽林官房長官の代理の田村氏は「企業の本社機能などを、どうやって地方に分散するかは非常に大きな課題だ。跡継ぎがいない地方の企業に対し経営能力を持った人を養成して支援するような仕組みをつくり、魅力ある地方をつくっていく」と述べました。

小泉進次郎氏は「首都機能の分散について官民で真剣に議論する場を立ち上げたい。首都圏で起きると予想される直下型の地震を座して待つわけにはいかない。また、海外からの投資を地方に呼び込むための総点検を行いたい」と述べました。

▽上川外務大臣は「今はまさに地方分権を進め新しい国家像を作っていく極めて重要な時期だ。ネットワーク大国を目指しているが、海外からダイレクトに人が来てもらえるような地方空港の国際化を徹底して進めたい」と述べました。

▽加藤元官房長官は「東京から地方に戻ってもらうだけでなく、東京にいながら地方に関与する、地方にいながら東京と仕事をすることがデジタルでできるようになっている。関係人口を増加させることで地域が再生していく」と述べました。

▽河野デジタル大臣は「東京とは違った地方の魅力を増していかなければいけない。18歳人口の地方からの流出があり、首都圏の高等教育機関のあり方を考える必要がある。国立の大学を徐々に東京、首都圏から地方に出していくことをやるべきだ」と述べました。

▽石破元幹事長は「国の政策を根本的に変え若い人が来てくれる地方を考えなければならない。地方に魅力的な仕事がなければだめで、どうしたら農業、漁業、林業、サービス業の生産性を上げ、収入が増えるかは考える余地があり、そこに集中するべきだ」と述べました。

▽茂木幹事長は「地方の活力アップは私の政治の原点だ。地方に『ミニ東京』を作るのではなく『ここにしかない』という産業や大学、研究機関を作っていく。単純に地方活性化や地方分散ではなく特色を持った地域をつくることが一番大切だ」と述べました。