候補者9人による討論会で存在感を発揮できなかった小泉進次郎氏(出典:代表撮影/ロイター/アフロ)
9月27日に投開票が予定されている自民党総裁選挙。当初、その有力候補とされていたのが小泉進次郎氏だったが、9人の候補者による討論会で期待されたほどの存在感を発揮できず、支持が伸び悩んでいる。各メディアの「次の自民党総裁にふさわしい候補」に関する調査ではどの候補者も圧倒的な支持には至っていないものの、勢いを増しているのが高市早苗氏である。果たして初の女性総理となるのか。それとも小泉氏の逆転はあるのか。総裁選の行方を占う。
「人気急落」支持集めの厳しい現実
小泉進次郎氏は、これまで国政選挙のたびに多くの聴衆を集めてきたが、今回の総裁選において、9人の候補者による討論では、その存在感が薄れていた。しかし、9月18日に大阪で行われた演説では、「初めて進次郎の良さが出た」と自民党関係者は語る。
進次郎氏は、調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)の使途公開や、ライドシェアの全面解禁を目指す方針を示し、「『維新といえば改革』というイメージを、『改革といえば自民』に変えることが次期総理・総裁の責務であり、私がその立場に立てば、圧倒的なスピードで変革を進める」と自信を持って語りかけたという。
大阪における自民党の現状は、維新の躍進により勢力が大きく後退し、非常に厳しいものがある。このような状況下で、イノベーションを無視する現状維持路線の姿勢や旧来のバラマキ政治が党内で主流となっていることに対して、進次郎氏は強い危機感を抱いていた。
そのため、「改革派」としての自分こそが維新に対抗できる人物であるという強い自負が、今回の総裁選への立候補の原動力となっていたのである。
総裁選の序盤においては、進次郎氏が確実に1位か2位に食い込むと予想され、決選投票では勝利を収めるだろうと思われていた。しかし、自民党支持層に対して行われた「次の自民党総裁にふさわしい候補」を問う各種調査結果の現状をまとめると、以下のとおりである。
●共同通信(9月15~16日)
1位 高市早苗氏 27.7%
2位 石破茂氏 23.7%
3位 小泉進次郎氏 19.9%
●朝日新聞(9月14~15日)
1位 石破茂氏 32%
2位 小泉進次郎氏 24%
3位 高市早苗氏 17%
●読売新聞(9月14~15日)
1位 石破茂氏 26%
2位 高市早苗氏 25%
3位 小泉進次郎氏 24.1%
●産経新聞(9月14~15日)
1位 小泉進次郎氏 29.4%
2位 石破茂氏 24.1%
3位 高市早苗氏 16.3%
●日経新聞(9月13~15日)
1位 石破茂氏 25%
2位 高市早苗氏 22%
3位 小泉進次郎氏 21%