「訂正が8カ所とは驚いた」 悠仁さまのトンボ論文のミスが発覚… 「筆頭著者だけでなく、共著者も含めた全員の責任」(2024年9月13日『デイリー新潮』)

“受験モード”に突入
キャプチャ
ご成年を迎えられた
 高校生活最後の秋を迎え、来年には大学進学が待ち受けている秋篠宮家の長男・悠仁さま。ご公務から「学会デビュー」まで、夏休み中は充実した時間を過ごされていたのだが、大学入試において強力な“実績”となるご自身の論文に、先ごろ「瑕疵(かし)」が見つかっていた。【前後編の前編】
 
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 今月6日に18歳となられた悠仁さまは、余すところ半年となった高校生活を満喫なさっている。宮内庁担当記者が言う。
「8月22日に行われた秋篠宮家の側近トップである皇嗣職大夫の会見では、最近の悠仁さまのご様子について『勉学を中心に元気にお過ごしになっている』との言及がありました。お誕生日後の9月7日から2日間は、通学されている筑波大附属高校で文化祭『桐陰祭』が催され、悠仁さまも参加されました」
 宴の閉幕とともに、3年生はがぜん“受験モード”へと突入していくという。悠仁さまの進学先としては現在、東大をはじめ筑波大、さらにご関心分野から東京農大などの名も挙がっている。
紀子さまのご希望は東大」
「とりわけ紀子さまが強く望まれているのが東大です。目下、悠仁さまは『学校推薦型選抜』を用いて農学部を受験されるとみられています」
 とは、さる皇室ジャーナリストである。農学部の募集要項などによれば、受験生に対して「研究成果あるいは論文」「活動実績等の資料」「各種コンテスト参加者はその成績」のうち、少なくとも一つの提出が求められている。
悠仁さまは8月25日から京都で開かれた『第27回国際昆虫学会議』で、『皇居のトンボ相』についての研究発表をポスター形式でなさいました。この論文は国立科学博物館(以下・科博)の清(きよし)拓哉研究主幹、そして元『農業・食品産業技術総合研究機構』の研究員で、現在は宮内庁職員として秋篠宮家をお支えしている飯島健氏らとの共著となっています」(前出記者)
 25日の開会式には秋篠宮ご夫妻が出席され、悠仁さまは事務局である組織委員会の招きで私的に参加された。翌26日には、代表研究者として清氏が発表を行っており、
「研究中の悠仁さまについて、清氏は『お若いので体力が有り余っておられる』『“あちらの池の方がトンボが面白そうだから見てきます”と走って行かれる』など、精力的に取り組まれていたご様子を紹介していました」(同)
受験対策は盤石
“昆虫学者のオリンピック”と称される大舞台で、堂々の学会デビューを果たされた悠仁さま。これに先立ち昨秋には、幼少期からの「トンボ愛」の集大成ともいえる25ページにわたる論文を、清・飯島両氏とともに発表されていた。
 あらためておさらいしておくと、
悠仁さまは2012年から10年にわたり、お住まいのある赤坂御用地内のトンボをつぶさに観察なさってきました。22年春に悠仁さまと面会した清氏はその知識量に驚愕(きょうがく)し、論文にまとめることを勧めたといいます。そして稲の専門家で、宮邸では悠仁さまの“家庭教師”でもある飯島氏も加わり、『赤坂御用地のトンボ相─多様な環境と人の手による維持管理─』という論文を執筆。昨年11月22日には科博の刊行する『研究報告A類(動物学)』に掲載されたのです」(前出ジャーナリスト)
 論文によれば絶滅危惧種を含む8科38種のトンボが確認されたといい、それぞれに考察が加えられている。悠仁さまは研究への貢献度により、筆頭著者となられたという。
 論文発表に国際学会と、東大農学部の求める「要件」を十分に満たし、受験対策は盤石であるようにうかがえる。
初歩的なミスもあわせて計8カ所の訂正
 ところが、そこに“不測の事態”が起きていた。
「この『赤坂御用地のトンボ相』論文に、先ごろ訂正が加えられたのです」
 とは、先のジャーナリスト。科博のHPによれば、件(くだん)の論文に「正誤表 Errata」が付けられたのが8月22日。その内訳は、観察された『オスのオツネントンボ』とあるものが実際はメスだったり、観察地点である池の写真キャプションが誤っていたり、さらには『シオカラトンボ』の学名のスペルミスなど、初歩的なミスもあわせて計8カ所に及んでいたのだった。
査読によるチェックには限界が
 生物の研究では、雌雄の別はきわめて重要なはずだが、国内のトンボ研究者約400人からなる「日本トンボ学会」のさる関係者によれば、
「論文発表後に正誤表が付けられること自体は、決してないことではありません。筆者は執筆の段階でミスを極力なくすよう、念には念を入れて論文を出すわけですが、固有名詞の取り違えやスペルミスは大なり小なり起こり得ます。その時、いつまでも間違ったまま残ってしまうことは学術的にも問題があるため、正誤表が必要となるのです」
 科博「研究報告」は、掲載に至るまでに専門家による「査読」を経るのだが、
「これによるチェックも限界があります。例えば日付や観察場所のデータなど、当人でなければ知り得ないことが多い。正誤表は基本的に論文著者が誤りに気付いて作成し、掲載誌の編集者に提出します。また専門家や掲載誌の編集者など第三者から『誤りがあります』といった指摘を受けて作成するケースもある。ミスはないに越したことはありませんが、一般的に昆虫の学名などは分類体系の変更に伴って変わっていくこともあるので……」(同)
「訂正が8カ所とは驚いた」
 学術論文においては、深刻な誤りが疑われる場合、掲載誌側から「懸念表明」が示されることがあり、最悪の場合は「撤回」へと追い込まれてしまう。一方で今回のような正誤表は、そもそも論文の根幹が揺らぐものではないというのだが、
「一つ一つは『うっかりミス』ではあるものの、訂正が8カ所とは驚きました」
 そう話すのは別の研究者。
「これは筆頭著者だけでなく、共著者も含めた全員の責任だといえます。また、査読がなされたのだとすればチェックが甘かったと言わざるを得ません」
 後編【悠仁さまのトンボ論文のミス、東大推薦入試の願書に間に合うタイミングで訂正が… 「レールをご両親が敷いてしまわれた」】では、論文の訂正がなされたタイミングについて、識者の見方を紹介している。
週刊新潮」2024年9月12日号 掲載