自ら辞退したのか、それとも陣営側から遠慮してほしいと言われたのか―。小林氏の出陣式に姿を見せた「裏金議員」たちに聞いてみた。(加藤豊大、小寺香菜子)
12日昼、「チームコバタカ送り出し式」と銘打った小林氏の出陣式が自民党本部で開かれ、支援する議員約30人が出席。推薦人代表の松本洋平衆院議員らがあいさつした一方、「裏金議員」らがマイクを握ることはなかった。
小林氏は8月19日、9人の候補者の中で先陣を切って出馬表明。記者会見には少なくとも24人の国会議員が同席した。そのうち大塚拓、細田健一、福田達夫、和田義明、宗清皇一、小森卓郎、鈴木英敬の各衆院議員は、派閥からの寄付について政治資金収支報告書への不記載があったと党本部が公表した議員だ。だが、この7人は小林氏の推薦人に名を連ねていない。
出陣式には、出馬会見に来ていた議員も含め、複数の「裏金議員」が姿を見せたが、東京新聞の取材には、推薦人にならなかったことと裏金問題は無関係だと口をそろえた。
◆「依頼がなかった」「選対で決めたことなので…」
ある議員は「依頼がなかった。支援を決めたのは(小林氏の)政策と勉強家な人柄からだ」と説明。自身が支援することで、小林氏が総裁になった場合に政治改革や党改革に影響が出ないか尋ねると、「(政治資金収支報告書への)不記載があった議員は白紙投票をしなければいけないのか。総裁選とは別問題で、不記載については今後も丁寧に説明していく」と答えた。
別の議員も「推薦人にならなかったのは、頼まれなかったから。(支援議員とは関係なく)それぞれの候補がそれぞれの改革を進めていくだけだ」と述べた。「何も聞いていない。(小林陣営の)選対本部で決めたことですから」と言葉少なに話す議員もいた。
推薦人の1人は「(推薦人は)あくまで適材適所だ」と強調。「裏金議員」の支援を受けることと政治改革、党改革は「関係ない。改革しますよ」と語気を強めた。