小林鷹之氏と旧統一教会のズブズブ…総裁選出馬会見で突っ込まれ“逃げ”のトーンダウン(2024年8月20日『日刊ゲンダイ』)

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会見で指摘されると…(C)日刊ゲンダイ
「脱派閥」「自民党は生まれ変わる」。19日の出馬会見で威勢のいいことを言っていた小林鷹之前経済安保相だが、「旧統一教会」とはズブズブ関係だ。指摘されると「軽率だった」とトーンダウン。これまでの主な癒着ぶりはこうだ。
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▼2018年、「旧統一教会」の関連団体「千葉県平和大使協議会」の大会に祝電を送る
▼2021年7月、地元・千葉で「旧統一教会」関連団体の自転車イベントに来賓として記念写真撮影。参加者80人のほとんどが信者だった
▼2021年10月、「旧統一教会」の機関紙「世界日報」のインタビューに応じて「半導体の安定供給を」と答えている。
 小林氏は「そんな団体とは知らなかった」と居直っていたが、「旧統一教会」が選挙支援していたことは周知の事実。会見では「旧統一教会」問題を追及し、日刊ゲンダイでもコラムを連載中の鈴木エイト氏が質問。
「小林さんの地元の有力な支援者に複数の統一教会の関係者がいることを確認しています。その認識はあるかどうか。その状態で旧統一教会に対して厳しい対応をとれるのか」 
 これに対し小林氏は「私の後援会員はそれぞれが私人。おひとりおひとりの思想信条を聞くことは限界がある」。
「旧統一教会」とケジメがつけられない「軽率男」を、マスコミが持ち上げている。
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●関連記事【もっと読む】『小林鷹之氏のカネ集めは「古い自民党」そのもの…初入閣後にハイペースでパーティー開催』では、小林鷹之氏の旧態依然としたカネ集めと旧統一教会との関係性についてを詳報している。

小林鷹之氏「総裁選出馬会見」は拍子抜け…報道陣150人詰めかけるも、裏金議員に“忖度”(2024年8月20日『日刊ゲンダイ』)
 
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生まれ変われると言いつつも、裏金事件については…(C)日刊ゲンダイ
 
 にわかに注目を集める「コバホーク」こと小林鷹之前経済安保相(49)が19日、国会内で会見を開き、9月の自民党総裁選への出馬を表明した。裏金事件で失った国民の信頼を取り戻すため政治改革と党改革に取り組むとし、「自民党は生まれ変われることを証明したい」と語ったが、改革に向けた具体的な道筋はなし。期待感が高まっていたが拍子抜けもいいところだった。
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 出馬表明は小林氏が第1号。注目度の高さもあり、報道陣約150人が詰めかけた。開始時刻10分前になると、国会議員が続々と入室。立候補に必要な推薦人の数と同じ「20席」が用意されていたが、定刻と同時に満席になり立ち見する議員も。最終的に安倍派を中心に、麻生、二階、岸田、森山各派の所属議員や無派閥を含む24人が出席した。
 小林氏が現れるや議員席からは拍手と共に「よしっ!」「いいぞっ!」と野太い声が上がる。昭和感丸出しの出迎えに笑みを浮かべた小林氏は冒頭の挨拶を済ませると、総裁選で掲げる政策として「経済」「外交安保」「安心と希望」「改憲」の4つに言及。自信に満ちた表情を浮かべていたが、いずれもどこかで聞いたことがあるような内容で新味はなかった。
■「自民党の調査には限界がある」
 気がかりだったのは、目下、国民の最大の関心事である裏金事件について、切り込んでいく姿勢がまるで見えなかったことだ。肝心の実態解明などについて、約30分に及んだ前半のスピーチでは一切触れずじまい。ようやく言及したのは、後半の質疑応答で促されてのことだった。実態解明に後ろ向きな党の態度や再調査の必要性について問われるとこう答えた。
「私も実態がよく分からない思いはあるが、権限を持っている検察当局が調べる中で不起訴処分となった。そんな中で、自民党の調査には限界がある」
 実態は分からないけど、もう調査はしないというわけだ。それも、岸田首相や党執行部が繰り返してきた弁明と全く同じ理屈だ。政治評論家の本澤二郎氏はこう言う。
「生まれ変わると言うのなら、当然、裏金事件の徹底調査をイの一番に掲げるべきです。ところが、ほとんど言及しないのですから、ヤル気がないのでしょう。それに、全体を通して発言が抽象的で、これまでのアベスガ岸田政治と何が違うのか分からない。要するに、刷新とは名ばかりで、何も変えないと宣言したも同然。古い自民党政治と何ら変わらない印象です」
 小林氏が裏金事件の解明にここまで消極的なのには理由がある。
「小林さんを支援するのは、組織的な裏金づくりに手を染めた安倍派の議員が多い。あまり厳しい態度を打ち出し過ぎると、彼らの不信を買ってしまい、下手をすると支援してもらえなくなる可能性もある。だから、トーンを抑えざるを得ないわけです」(官邸事情通)
 裏金議員に“忖度”しているのだから世話はない。勇ましい「鷹」とはかけ離れた姿だった。
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