兵庫県議会の百条委員会の追及が続き、窮地に立たされっぱなしの斎藤元彦兵庫県知事(46)。9月9日には、知事選の際に斎藤氏を推薦し、一連の問題が発覚して以降も事態を静観するという態度で知事を援護射撃してきた日本維新の会からもついに辞職要求が出された。
「告発者の元職員を貶めて…」斎藤知事を“かばった”維新掘井健智(けんじ)衆議院議員
「これで県議会を構成する全会派から斎藤氏に辞職要求が出されたことになります。ただ、要求には法的拘束力はなく、斎藤氏にも辞任の気配はない。9月19日から始まる本会議では不信任決議案提出が確実視されています」(県庁担当記者)
斎藤知事を“擁護”しつづける議員の軽い発言
新聞やワイドショーが連日連夜報じ続け、いまや兵庫県のみならず日本中の関心事になった斎藤知事の去就。党勢の退潮著しい維新の会としては、これ以上旗色の悪い斎藤知事に与するのはまずいと、手のひらをひっくり返したのも無理からぬことではある。
「街頭演説中に話しかけてきた一般人に対し、告発者だった元職員を貶め、斎藤氏サイドの言い分を垂れ流したとして地元では話題になっていました」(兵庫県議)
維新の会の上層部が世論の風読みに苦労している最中に、空気の読めぬ対応を続けている掘井氏の胸中とは。週刊文春が直撃すると、あまりにも軽い発言が飛び出して――。
吉村洋文共同代表
職員へのパワハラ疑惑などを文書で告発された兵庫県の斎藤元彦知事について、令和3年の県知事選で推薦した日本維新の会の吉村洋文共同代表(大阪府知事)は11日、斎藤氏が辞職して出直し知事選に臨んだ場合の維新の対応について「今の状態なら推薦できない」と述べた。府庁で記者団の取材に応じた。
幼少期から「イケメンの秀才」…斎藤元彦知事の若手時代の写真
吉村氏は県議会調査特別委員会(百条委員会)での斎藤氏らの証言を踏まえ、斎藤氏が告発文書を公益通報として扱わず、文書を作成した元県西播磨県民局長(60)=7月に死亡=を懲戒処分にしたことや、県職員に物を投げるなどのパワハラ行為を批判。「背景や事実関係で納得できるものはない。百条委の証言を聞いても今の状態であれば(出直し選で)推薦できない」と延べた。
また、吉村氏は今月7日、斎藤氏に電話で連絡をとり、辞職して出直し選に出馬すべきと進言したが、その後も斎藤氏が続投の意思を示していることについては「残念に思う。間違っていることは認めて辞職すべきだ」と述べた。
兵庫県の斎藤知事がパワハラの疑いなどで告発された問題で、県議会の最大会派、自民党内では今月19日に知事に対する不信任決議案を提出する案が出ています。これに対し斎藤知事は会見で、県民から負託を受けているとして辞職しない考えを重ねて示しました。
これについて斎藤知事は11日の記者会見で「今の状況は厳しい。3年前の選挙で『4年間、しっかりやるように』と県民から負託を受けているので、任期をしっかりつとめていく」と述べ、辞職しない考えを重ねて示しました。
その上で不信任決議案が可決された場合、知事が議会の解散か失職かを選択することについて「法律の規定に基づいて選択肢があるので、規定に基づき判断していく」と述べました。
一方、3年前の知事選挙で推薦を受けた自民党の県議会議員も辞職を求めるとしていることについて「当時、議会が終わるたびに『がんばれ』と言ってもらっていたので、このような状況になったことは申し訳なく、自分自身に対し悔しい思いだ。議員には心から今も感謝しており、本当に申し訳ない。決して完璧な人間ではないが、これからも頑張っていきたい」と述べ、涙を浮かべる場面もありました。
維新共同代表 大阪 吉村知事「辞職すべき」
日本維新の会の共同代表を務める大阪府の吉村知事は記者会見で「告発文書の中に、知事自身によるパワハラの記載があるにもかかわらず、極めて初期の段階で結論を出してしまった。知事の権限執行として間違えていたと思うので、そこは認めて辞職すべきだというのが私の考えだ。告発した人が亡くなった事実や県政が混乱している事実もあり、この結果に対する道義的責任もある」と述べました。
その上で「斎藤知事が今後もいまの状態を継続するのであれば、われわれとしても不信任決議案を出すことになる」と述べました。
また今後、不信任決議案が可決された場合の対応については「いまの状態のまま知事が議会を解散するのは、県民の理解を得られない」と指摘しました。
維新 藤田幹事長「対応を慎重に見たい」