自民党総裁選2024
上川陽子外相は11日、都内で記者会見し、自民党総裁選(12日告示―27日投開票)に立候補すると正式に表明した。「日本の首相として難問から逃げず、国民の皆さまと新たな日本を築いていきたい」と述べた。「透明性の高い信頼できる政治が強く求められている」と強調した。総裁選には初めて出馬する。
賃上げや農林水産業の持続性可能性の強化、少子高齢化対策、憲法改正などからなる7項目の重点政策を掲げた。岸田文雄政権で2023年9月以来、外相を務めてきた経験を生かし「どんな困難な状況でも決断してきた。国益を守り、存在感を示し、国民に支持される国をつくる」と語った。
「日本の新しい景色」をキャッチフレーズとした。政策を実現する上で①海外や地方のネットワーク強化②コンテンツ産業の振興③海洋安全保障――を重点課題に据えた。地方空港の国際空港化やリニア中央新幹線の開業前倒しを後押しすると発言した。
経済政策に関し「『貯蓄から投資』促進と所得再分配を確立し、中間層を広げる」と主張した。「市場の信認を確保し、財政強靱(きょうじん)化に乗りだす」とも言明した。エネルギー政策では人工知能(AI)の普及に触れ、「電力の需要は予想が付かないぐらい大きくなる。原子力発電所の可能性は極めて重要だ」と指摘した。
自民党の政治資金問題への対応を問われ「ルールにのっとって対応するのが基本だ。議論を進めて透明性の高い政治活動ができるようにする」と答えた。政治資金収支報告書への不記載が発覚した議員を次期選挙で公認するかに関しては「党で最終的な処分が出た。その中でしっかり対応したい」との言及にとどめた。
初の女性首相を目指すうえで、女性活躍の重要性を訴えた。「国民との対話を大事にし、声なき声を政治の真ん中に、届きにくかった女性や子供の声をしっかり受け止める」と話した。選択的夫婦別姓の導入の是非は明言せず「国民対話の中で一致した思いでつくり上げることが大事だ。プロセスを大事にする」との認識を示した。
岸田政権の発足後には看板政策「新しい資本主義」の議論を自民党内でリードし、働く人の学び直し(リスキリング)の支援策をまとめた経験もある。