兵庫県議会が設置した文書問題調査特別委員会(百条委員会)とは別に調査を進める。
告発文書を作成した元県民局長の男性(7月に死亡)を懲戒処分とした県の対応について、内部調査の゙中立性が担保されていないとした県議会の要請を受け、斎藤知事が5月、第三者による調査機関の設置を決めた。
委員の選定も中立性を重視しており、百条委員会とは別の観点で審議する意義を強調した。
当初は告発文書に記された7項目を重点的に審議するとしていたが、一連の問題で運用のあり方が問われている「公益通報」についても議題にあがるという。
メンバーは、委員として元裁判官の弁護士3人、関係者に対する聞き取りなどを行う調査員の弁護士3人の計6人。9月上旬に設置、来年(2025年)3月をめどに調査結果を公表する。
メンバーは県の利害関係者ではないとしている。
設置準備会座長の藤掛伸之弁護士(兵庫県弁護士会元会長)は、「なぜ第三者機関による調査が必要なのかを改めて問いたい。そのためには中立性を担保して慎重に進める。多くの県民の関心事であり、迅速に進めたい」と話した。
告発文書は元県幹部の男性が作成。斎藤氏が出張先で公用車を降り20メートル歩かされただけで職員を怒鳴り散らしたパワハラや、視察企業からの贈答品受領などの疑惑を挙げている。男性に対し、斎藤氏は当初「うそ八百」などと完全否定。県は告発を誹謗中傷と認定し、男性に懲戒処分を課した。その後、告発の一部が事実と判明し、事態を重くみた県議会が調査特別委員会(百条委員会)の設置を決定した。しかし、百条委に出席予定だった男性は7月7日に死亡した。自殺とみられる。
この問題を巡り、県政の混乱を招いたとして7月31日付で片山安孝氏が副知事を辞職。斎藤氏の肝いり政策の担当理事だった小橋浩一氏は、体調を崩して休んでおり、自ら申し出て今月1日付で総務部付の部長級に降格した。
また、元県幹部の男性が3月に内部告発の文書を一部の報道機関や県議に送付したことについて、内部調査を行った人事当局を所管する総務部のトップだった井ノ本知明総務部長が、7月30日から病欠していることが明らかになっている。
告発文には、2023年11月の阪神・オリックスの優勝パレードについて、県内の金融機関に対し補助金を増額する見返りに、開催資金を寄付するよう働きかけたということも記されていた。この優勝パレード開催資金“還流”疑惑について、斎藤氏は7日の定例記者会見で「事業をソフトランディングさせるためで適切だった」と述べた。
泉氏は「“1億円”の予定だった『補助金』の額を急遽“4億円”に増額することと引き換えに、その増額の見返りとして『寄付金』としてキックバックさせたという疑惑。兵庫県知事がらみの案件ゆえ、兵庫県警の動きが遅いのであれば、大阪地検特捜部が動くという選択肢もある・・・」と自身の見解をつづった。