「滝クリのストップ」「上川の後退」「石破と河野の人望問題」 それぞれの自民党総裁(2024年8月14日『デイリー新潮』)

首相は出るのか
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岸田首相
 9月までに行われる自民党総裁戦が近づき、はっきりとした構図は見えないものの、候補を自認する面々はそれぞれ活動を展開しているようだ。「それぞれの総裁選」についてお伝えする。
岸田文雄首相が出るのか出ないのか。それがハッキリしないと構図は固まらないよねというのが衆目の一致するところです。岸田政権の支持率は低迷を続けていますが、政権を継続して運営することに前向きですし、再選に向けて出馬を諦めたとは聞いていません。ただ、支持基盤が解散を発表した岸田派だけで拡大が進んでいないというのがネックですね」
 と、政治部デスク。
「首相が頼みとするのが麻生太郎副総裁で、その麻生氏は出馬する気満々の茂木敏充幹事長に“岸田が出るならお前は出るなよ”と伝えているそうです。首相を支える立場の茂木氏が首相と共に戦えば裏切り者のそしりをまぬかれず、惨敗必至というわけです」(同)
女性初の首相候補だった
 その茂木氏は自身がボスを務めてきた茂木派から実力者が退会するなど、総裁選に向けて明るい展望が描けているとは言えないようだが。
「美人で知られる茂木氏の妻が各方面と会食するなどサポートを続けているようで、一部で話題になっているようです。社交的で懐に入るのがうまいと評する人がいましたね」(同)
 茂木派所属だった加藤勝信官房長官も有力な候補とされるが、世間での認知度が低く、課題とされている。
「本人はやる気十分のようですが、総主流派体制になって党内から幅広く推される状態でないと出馬しない、できないと聞きました。出たら絶対勝つ大本命でないと動かないということなのかもしれません」(同)
 一時、「女性初の首相も」と取り沙汰され、世論も盛り上がっていた上川陽子外相はその後、どういった状況なのか。
「出馬しないそうです。名前があがった候補の中で立場がハッキリしている唯一の方かもしれません」(同)
「小石河」は
 同じ女性の高市早苗経済安保相、野田聖子・元少子化担当相はどうか。
「いずれも出馬に前向きで高市氏は推薦人20人を確保したとされる一方、野田氏はその確保を進めているところとのことでした」(同)
 国民の間で人気が高く、前回の総裁選で連携・共闘した「小石河」と称される小泉進次郎環境相石破茂元幹事長、河野太郎デジタル相の動きについては……。
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「前回のように共闘ということにはならないのではと見られています。石破氏が今回チャレンジすれば5度目になるわけですが、これまで同様に党内での人気が低い。出たいという思いは強いようですが、推薦人も菅義偉前首相や二階俊博元幹事長から借りてこないと自前で立てるのは難しいとの見方も。同様に河野氏も何としてでも出たいが党内の支持が広がっていないタイプ。背に腹は代えられないと、これまで旗印としてきた脱原発を修正したほどです。麻生派所属ですが所属議員とは距離があり、同じ神奈川県選出の菅氏を後ろ盾としてきましたが、菅氏が河野氏に一本化しようという動きは見られません」(同)
進次郎と滝クリ
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「小石河」の最後の1人、小泉氏はどうか。
「子育てにかなりの時間を割いているようで、妻の滝川クリステルさんから“今は総裁選よりも子育て”と言われているとのこと。いずれ首相になることは自他ともに認めるところですし、滝川さんも将来のファーストレディを見据え、意識していると聞いています。それだけに力をつけ、しかるべきタイミングでという思いが強そうです」(同)
 出馬の可能性はゼロではないものの、首相官邸を共にサプライズで訪問して結婚を明らかにした過去があるだけに「見せ方」や「タイミング」には人一倍注意を払っていると言えるだろう。
 ということで現時点では本命候補は見当たらず、1周回って「岸田首相再選」の可能性がこれまでより少しだけ上昇しているとの声もあるようだ。
デイリー新潮編集部「出馬しないそうです。名前があがった候補の中で立場がハッキリしている唯一の方かもしれません」(同)