柔道 橋本壮市選手が銅メダル 男子73キロ級 パリ五輪(2024年7月30日『NHKニュース』)

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パリオリンピック柔道男子73キロ級の橋本壮市選手は、準々決勝で敗れましたが、敗者復活戦を勝ち上がって銅メダルを獲得しました。32歳でオリンピック初出場の橋本選手は初戦の2回戦、開始早々に得意の袖釣り込み腰で技ありを奪って優勢勝ちしました。

準々決勝は、世界ランキング35位で地元・フランスのジョアンベンジャミン・ギャバ選手と対戦し、厳しい組み手争いとなって橋本選手は、なかなか技を決めることができずに試合は延長戦となりました。

延長2分28秒。橋本選手は3回目の指導を受けて反則負けとなり、敗者復活戦にまわりました。

敗者復活戦は、世界ランキング26位のモンゴルの選手と対戦して相手の反則負けで勝つと、3位決定戦は、世界ランキング17位、コソボのアキル・ジャコバ選手と対戦し、開始8秒に背負い投げで技ありを奪って優勢勝ちし、銅メダルを獲得しました。

橋本壮市「柔道人生に悔いが残らないように戦った」

橋本選手は「たくさんの人が見に来てくれたから。僕の柔道人生に悔いが残らないように戦いました」と振り返りました。

この階級での日本選手のメダル獲得は、4大会連続です。
▽金メダルは、世界ランキング1位でアゼルバイジャンのヒデヤット・ヘイダロフ選手▽銀メダルは、フランスのギャバ選手▽銅メダルは、橋本選手と、モルドバのアディル・オスマノフ選手でした。

「金メダルがよかったが力すべて出し銅 悔いなし」

橋本選手は表彰式で笑顔を見せ、メダルを手にしました。

橋本選手は、「金メダルがよかったが、自分の力をすべて出して銅メダルだったので悔いはないです。負けて諦めそうになったがここで諦めたら絶対後悔すると思ったのでその思いだけで戦ってよかったです」と充実した表情で話していました。

日本の柔道代表史上“最年長”での挑戦

橋本選手は日本の柔道代表史上、最年長でのオリンピック出場で銅メダルを獲得しました。

オリンピックの代表争いではリオデジャネイロ、東京と大野将平選手に敗れた橋本選手。
「東京大会で選ばれなかった時に引退を少し考えたが、絶対諦めない気持ちでいた」と当時の心境を振り返り、「次へのスタートは始まっていると思っていた。試合を見ていても次には進まない」と大会期間中も悔しさを原動力にトレーニングに打ち込んでいたといいます。

あの大会から3年、今回は73キロ級を背負う立場となり「周りに活躍する選手がいっぱいいた中で成長させて頂いて、とてつもないライバルがいても諦めないでここまでたどり着いた。本当に柔道人生の集大成なので、悔いのないように戦って、金メダルだけを見て戦いたい」と強い決意を持って大会に向かいました。

海外選手の研究やめず 悲願の銅メダル

「橋本スペシャル」と呼ばれる左腕一本で投げる独特な袖釣り込み腰といった得意技を生かすため、海外選手の研究にも積極的で、所属先のコーチでもあるロンドンとリオデジャネイロ大会の銅メダリスト海老沼匡さんと、距離を詰められた時や、奥襟や背中をとられた時の対策なども重ねてきました。

ベテランになっても探求をやめず、諦めずにつかみとったパリ大会。

持ち前の組み手のうまさや粘り強さも発揮して、銅メダルを獲得しました。

【敗者復活戦】

パリオリンピック柔道男子73キロ級で、オリンピック初出場の橋本壮市選手は、敗者復活戦で世界ランキング26位のモンゴルの選手と対戦し、相手の反則負けで勝ち、3位決定戦に進みました。

【準々決勝】フランス選手と対戦 反則負けで敗者復活戦に 

準々決勝では、世界ランキング35位のフランスの選手と対戦し、延長戦の末、反則負けし、敗者復活戦にまわりました。

【初戦】ブルガリア選手と対戦 袖釣り込み腰で準々決勝進出 

初戦の2回戦では、世界ランキング27位のブルガリアの選手と対戦し、開始早々、得意の袖釣り込み腰で技ありを奪って勝ち、準々決勝に進みました。