各地の最高気温は? 

気象庁によりますと、29日も東日本と西日本を中心に高気圧に覆われて晴れ、各地で気温が上がりました。

日中の最高気温は栃木県佐野市で41度ちょうどと、ことし全国で最も高くなり、国内の過去最高にあと0.1度まで迫る記録的な暑さとなりました。

また、静岡県浜松市船明と群馬県館林市で40.2度、群馬県伊勢崎市で40.1度、埼玉県熊谷市茨城県古河市でも40度ちょうどとなりました。


1日に6つの地点で40度以上を観測したのは、2022年7月1日以来です。

このほか、京都市で39.4度、東京・練馬区和歌山県新宮市で39.3度、甲府市で39.2度、長野県飯田市信濃で39.1度などと、各地で危険な暑さとなりました。

歴代の最高気温は?

これまで観測された中で、最も高かった気温は「41.1度」です。

2018年7月23日に埼玉県熊谷市で、2020年8月17日に静岡県浜松市で観測しています。

過去の最高気温の上位20位までをランキング形式で見ると、次にようになっています(28日までのデータ)。

今夜は熱帯夜 明日も猛烈の暑さ予想

あす30日の朝にかけても各地で気温が25度を下回らない熱帯夜となる見込みで、日中も静岡県浜松市さいたま市、埼玉県熊谷市で39度、東京の都心や高知市岡山市で38度と危険な暑が予想されています。

また、鹿児島市高松市横浜市で37度、大阪市名古屋市仙台市で36度と各地で猛烈な暑さとなる見込みです。

気象庁環境省は30日も熱中症の危険性が極めて高まるとして、関東から九州まで30の都府県に「熱中症警戒アラート」を発表しています。

警戒が必要な都府県
茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、東京都、千葉県、神奈川県、長野県、山梨県静岡県、愛知県、岐阜県三重県新潟県京都府兵庫県奈良県和歌山県広島県徳島県香川県高知県山口県、福岡県、大分県長崎県佐賀県熊本県、宮崎県、奄美地方を除く鹿児島県

熱中症疑いで死者も 各地で搬送相次ぐ

連日の暑さに伴い、全国各地で熱中症とみられる症状で病院に搬送される人や亡くなる人が相次いでいます。

東京消防庁によりますと、29日、都内では、午後3時までに10歳から91歳までのあわせて88人が、熱中症の疑いで救急搬送されました。

また、29日午前、静岡県掛川市の路上で40代とみられる男性が路上に倒れているのが見つかり、その後、熱中症の疑いで死亡しました。福井県越前町の住宅でも、60代の女性が倒れているのが見つかり、その場で死亡が確認されました。警察などによりますと、熱中症とみられるということです。

運動や外出を控え、室内ではエアコンを我慢せず使用し、こまめに水分や塩分を補給するなど熱中症への対策を徹底して下さい。

特にお年寄りや乳幼児は熱中症になりやすいため、家族など周りの人たちが気を配るようにしてください。

  • 注目

なぜ気温上昇?いつまで続く?

気象庁によりますと、東日本と西日本では今月上旬から暖かい空気に覆われ、記録的な高温となっているところがあります。

今月上旬の平均気温は関東甲信で平年より3.6度、東海で3.4度、九州北部で3度ちょうど、九州南部で3.1度、それぞれ高く、気象庁が1946年に統計を取り始めてから、最も高くなりました。

29日は東日本と西日本の各地で危険な暑さとなり、栃木県佐野市で41度ちょうどを観測し、ことし国内で最も暑くなったほか静岡県群馬県、埼玉県、茨城県でも40度に達しました。

栃木県佐野市の様子(午後2時半ごろ)

これについて気象庁は、太平洋高気圧に覆われ、猛烈な暑さが続いていることに加え、高気圧の縁をまわって西日本や東日本に暖かい空気が流れ込んでいること、上空の気温も記録的な高温となっていることなどが影響しているとしています。


また、関東甲信や東海では山越えの暖かく乾いた空気が吹き降ろす「フェーン現象」も加わってさらに気温が上昇したとみられるということです。

関東甲信と東海、近畿、中国地方、四国、九州北部、それに九州南部では、この先1か月程度は暖かい空気に覆われて気温が高い状態が続く見込みだということです。

40度の熊谷市では…

埼玉県熊谷市は強い日ざしが照りつけて猛暑日となり、午後2時半前に40度ちょうどを観測しました。

JR熊谷駅前では、日傘をさしたり小型の扇風機を持ったりして歩く人の姿が多く見られました。

70代の男性は「ヒリヒリするような暑さでもう汗だくです。40度まで上がるという予報ですが、そんなに上がらないよう願っています」と話していました。

60代の男性は「怖いくらいの暑さで、歩いているだけで汗が出てタオルで拭かないと追いつかないです。熱中症にならないよう水分をこまめにとったり涼しいところで休憩を取ったりするようにしています」と話していました。

小学生「溶けちゃいそう」

午後2時半前に39.2度を観測した甲府市。JR甲府駅前では、強い日ざしが照りつけ、日傘を差して歩く人や冷たい飲み物を飲んで休む人の姿などが見られました。

東京から親子で観光に訪れた40代の女性は「暑いと聞いていましたが、思っていた以上に暑くて、ぐったりしてしまいます。少し歩いただけで、日に当たると肌が痛くて大変です」と話していました。小学生の男の子は「サウナぐらい暑いです」と話していました。

また、子どもと遊びに来た甲府市の30代の女性は「暑くて困ります。歩くの大変でした」と話し、小学生の女の子は「溶けちゃいそうな暑さです」と話していました。