5日、英首相官邸に入るスターマー首相(中央)と妻=ロンドン(Stefan Rousseau/PA通信=共同)
【ロンドン=黒瀬悦成】4日の英総選挙(下院、定数650)で14年ぶりに政権を奪還した労働党のスターマー内閣が5日発足した。副首相にはアンジェラ・レイナー副党首、財務相には女性初となるレイチェル・リーブス氏が就任した。
財務相に就任したレイチェル・リーブス氏(英議会提供、PA通信=共同)
リーブス氏はイングランド銀行(英中央銀行)でエコノミストとして日本経済の分析などを行った。同氏はBBC放送とのインタビューで「民間企業の投資は経済を好調に導く生命線だ」と述べ、経済界と協調して経済成長を後押ししていく考えを表明した。
外相にはデービッド・ラミー氏が就任した。同氏は米国の法律事務所で弁護士として活動した経験があり、米政界にも知り合いが多いとされる。
外相に就任したデービッド・ラミー氏(英議会提供、PA通信=共同)
かつてトランプ前大統領を「人種差別主義者」などと非難しているが、5日のBBCとのインタビューでは「次の米大統領が誰であっても一緒に仕事をする」と述べた。トランプ氏が大統領に返り咲く可能性を視野に、トランプ氏周辺の共和党関係者とも関係構築を進めているという。
国防相に就任したジョン・ヒーリー氏(英議会提供、PA通信=共同)
スターマー英新首相、バイデン氏と会談 インド太平洋での連携など確認(2024年7月6日『産経新聞』)
【ロンドン=黒瀬悦成】5日に就任したスターマー英首相は同日、バイデン米大統領と電話で会談し、ロシアに侵略されたウクライナへの力強い関与を改めて確認した。英首相府が発表した。スターマー氏は、英国はウクライナに揺るぎない支援を続けていくと強調した。
スターマー氏はまた、米英とオーストラリアの安全保障枠組み「オーカス(AUKUS)」や、自由で開かれたインド太平洋地域の確立などを通じ、米英が幅広い分野で連携強化を進めることに期待を表明した。
ゼレンスキー氏、スターマー英新首相と電話会談 支援継続の確約に謝意(2024年7月6日『産経新聞』)