東京都知事選はあす投開票が行われる。有権者が投じる1票は都政を通じて国の政策にも影響を与える可能性を秘めた重要な意思表示だ。棄権する割合の高い若者には自身の将来をも見据え、大切な選挙権を行使してほしい。
3選を目指す現職の小池百合子氏に対し、蓮舫前参院議員、石丸伸二前広島県安芸高田市長らが都政刷新を迫る。自民、公明、国民民主各党が小池氏、立憲民主、共産、社民3党が蓮舫氏をそれぞれ支援し、国政の与野党による対決構図が持ち込まれた。
都政への関心が低い若者に直視してほしいのが少子化問題だ。
多様な生き方が可能な現代社会でも、結婚や出産を人生設計の根幹に置く人は多いはずだ。東京の合計特殊出生率は全国最低の0・99。「子育てに金が掛かる」「育児休暇が取りにくい」-こんな理由で結婚や出産を諦める東京の現状が望ましいはずはない。
公約の比較や見極めは簡単ではないが、数値目標や実現の方法、財源の根拠などが具体的に示してあれば選択の根拠になり得る。
東京、そして日本社会の在り方を決めるのは、あなた自身。特に未来を生きる若者には、無関心であってほしくない。