東京都知事選、小池百合子氏が3選 得票2位は石丸伸二氏(2024年7月7『日日本経済新聞』)

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任期満了に伴う東京都知事選挙が7日投開票され、現職の小池百合子氏(71)が3選を決めた。子育て世帯への支援拡大や医療体制の充実といった実績が支持を得た。2番手には前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏(41)が入り、前参院議員の蓮舫氏(56)を上回った。
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小池氏は7日夜、当選確実を受けて「都民から『もっと改革を進めろ』という思いを頂戴した。これからも全身全霊で対応していきたい」と記者団に語った。
選挙戦で小池氏は自民、公明両党、蓮舫氏は立憲民主党共産党が支援した。序盤から小池氏が一歩先行し、蓮舫氏や石丸氏が追う展開だった。小池氏は政治資金問題を抱える自民党への逆風などを意識し、選挙運動では政党色を抑えた。支援を受ける政党のほか無党派層も取り込み、リードを守った。
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石丸氏は得票数で小池氏に続く2番手に付けた。選挙戦では主要政党の支援を受けず、SNS(交流サイト)での積極的な発信を通じ無党派層の支持を広げた。既成政党への不満や政治不信を抱える有権者の一定の受け皿になったとみられる。
選挙戦で小池氏は保育料無償化の拡大、無痛分娩への助成といった子育て支援策のほか、認知症専門病院の新設などを掲げ、支持を集めた。日本経済新聞の情勢調査では小池都政を「評価する」と答えた有権者が「評価しない」を上回り、2期8年の実績への評価も安定した戦いにつながった。
自民党は4月の衆院3補欠選挙の全敗に続き、地方選挙での敗北が目立っていた。独自候補ではないものの、自主的に支援した小池氏の勝利を党内では前向きに受け止める声が多い。
連敗は止めた格好だが、都知事選と同日投開票の都議補選では苦戦している選挙区が多い。都知事選の勝利がどこまで党勢回復につながるか不透明感が残る。
蓮舫氏が告示直前まで所属した立民は都知事選での勝利を次期衆院選の弾みにする狙いだったが、思惑通りにならなかった。蓮舫氏は立民、共産両党の支持層には浸透したものの、無党派層への広がりを欠いた。次期衆院選での「野党共闘」に影響する可能性がある。
航空幕僚長田母神俊雄氏(75)は支持層が広がらず伸び悩んだ。
都知事選には過去最多の56人が立候補した。ポスター掲示板の枠が足りなくなったり、候補者と関係のないポスターが多数張られたりと混乱やトラブルが相次いだ。政見放送でも都政とは無関係の主張やパフォーマンスが目立ち、選挙をめぐる現行制度のあり方が問われた。
投票率は60.62%だった。2020年の前回選挙に比べて5.62ポイント高かった。都知事選では12年以来、12年ぶりに60%を超えた。
こいけ・ゆりこ 76年(昭51年)カイロ大卒。参院議員、衆院議員、環境相、防衛相を経て16年に東京都知事兵庫県出身、71歳。