任期満了に伴う東京都知事選挙が7日投開票され、現職の小池百合子氏(71)が3選を決めた。子育て世帯への支援拡大や医療体制の充実といった実績が支持を得た。2番手には前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏(41)が入り、前参院議員の蓮舫氏(56)を上回った。
小池氏は7日夜、当選確実を受けて「都民から『もっと改革を進めろ』という思いを頂戴した。これからも全身全霊で対応していきたい」と記者団に語った。
選挙戦で小池氏は自民、公明両党、蓮舫氏は立憲民主党や共産党が支援した。序盤から小池氏が一歩先行し、蓮舫氏や石丸氏が追う展開だった。小池氏は政治資金問題を抱える自民党への逆風などを意識し、選挙運動では政党色を抑えた。支援を受ける政党のほか無党派層も取り込み、リードを守った。
石丸氏は得票数で小池氏に続く2番手に付けた。選挙戦では主要政党の支援を受けず、SNS(交流サイト)での積極的な発信を通じ無党派層の支持を広げた。既成政党への不満や政治不信を抱える有権者の一定の受け皿になったとみられる。
選挙戦で小池氏は保育料無償化の拡大、無痛分娩への助成といった子育て支援策のほか、認知症専門病院の新設などを掲げ、支持を集めた。日本経済新聞の情勢調査では小池都政を「評価する」と答えた有権者が「評価しない」を上回り、2期8年の実績への評価も安定した戦いにつながった。
蓮舫氏が告示直前まで所属した立民は都知事選での勝利を次期衆院選の弾みにする狙いだったが、思惑通りにならなかった。蓮舫氏は立民、共産両党の支持層には浸透したものの、無党派層への広がりを欠いた。次期衆院選での「野党共闘」に影響する可能性がある。