「ぜひ一緒に、住みやすく、明るい温かな東京をつくらせていただければ」。5月29日午後、都議会内で蓮舫氏が共産都議らに呼びかけた。都議団の大山とも子団長は、満面の笑みで花束を渡した。
◆連合の芳野会長「考え方が共産党とは違う」
しかし、立民の最大の支援組織である連合は冷ややかだ。芳野友子会長は5月31日、「連合としては考え方が共産党とは違う。連携していくことは非常に難しい」と、けん制した。
地方組織の連合東京は組合員125万人を擁し、うち半数が都民。カスタマーハラスメント防止の取り組みなどの要望に応えてきたことなどから小池都政を評価しており、6月19日の執行委員会で、前回知事選に続き小池氏の「支持」を決める方針だ。
◆国民民主の榛葉幹事長も「共産党と相いれない」
立民が共産との共闘にかじを切る理由は、これまでの戦績にある。2016年の参院選で、共産を含む野党側は全1人区で候補を一本化し、自民に11勝21敗と健闘した。21年の都議選でも、立民は共産と候補者調整をして議席を増やした。今年4月の衆院東京15区補選でも、立民公認候補を共産や市民団体が全面支援し、小池氏が強く後押しした無所属新人らを破った。
これに対し連合は、発足時の1989年に共産系の労組が合流せず、敵対してきた経緯がある。連合東京幹部は「立民は共産を切れない限り、国民民主とも一緒になれないままだ。立民側は共闘がうまくいっていると言うが、実際には共産からもらう票以上に逃げる票が多い」と指摘する。
◆はざまで悩む立民関係者も
連合と共産のはざまで悩む立民関係者も少なくない。過去の選挙で連合東京の応援を受けた立民都議は、連合側に配慮し、選挙で共産の議員と並ばないようにするなど「やりづらさはある」と明かす。
「確実に票が取れる共産の力は大きいが、労働者側に立つ以上は、共産でなく連合につきたいという思いもある」。こう語る別の立民関係者は、都知事選や来年の都議選を見据えてつぶやく。「どちらとも、うまいことやるしかない」
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