◆高齢者ほど伐採に否定的
神宮外苑の再開発に伴う多数の樹木伐採について「反対」は41.3%、「どちらかといえば反対」は30.8%。「賛成」は14.7%、「どちらかといえば賛成」は13.1%だった。
年代別では、年齢層が上がるほど「反対」の割合が高かった。「どちらかといえば」を含めて50代は計72.6%、60代は75.4%、70代では82.4%、80歳以上は82.8%を占めた。一方、30代では「賛成」が最多の37.6%だった。
支持政党別では、立憲民主、共産、れいわ新選組のそれぞれを支持と答えた人の9割以上が樹木伐採に「反対」で、自民、公明支持層は賛否が拮抗(きっこう)した。「賛成」が最多は、国民民主支持層の35.9%だった。
◆小池氏「進める」蓮舫氏は「やめるべき」
神宮外苑の再開発は三井不動産や明治神宮などが手がける。神宮球場と秩父宮ラグビー場の場所を入れ替えて建て替え、商業施設やオフィスが入る高層ビルも建設。計画段階で大量の樹木伐採が判明し、住民や文化人から見直しを求める声が出ている。
都は昨年2月に再開発事業の施行を認可したが、現職の小池百合子氏(71)は昨年9月、神宮第二球場周辺の樹木の伐採を始める前に、樹木保全の具体策を示すよう事業者側に要請。現在、事業者側が保全策を検討している。
再開発事業について、選挙戦では小池氏が「進めるべきだ」、前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏(41)、AIエンジニアの安野貴博氏(33)は「どちらかといえば進めるべきだ」と主張。タレントの清水国明氏(73)、元航空幕僚長田母神俊雄氏(75)、前参院議員の蓮舫氏(56)は「やめるべきだ」としている。
◆「景気と雇用」優先の6割が50代以下
「選ばれた都知事に進めてほしい政策」は、「医療や福祉」が22.7%、「景気や雇用」が22.4%、「教育や子育て」が20.3%、「行財政改革」が18.7%。20~40代は「教育や子育て」が最も多かった。
年代別に見ると、「景気や雇用」を選んだ6割を50代以下の現役世代が占め、「教育や子育て」を選んだ人の半数は40代以下だった。男女別では、男性は「景気と雇用」が22.9%と最も多く、女性は「医療や福祉」の28%が最多だった。
投票予定先で見ると、小池氏と清水氏、蓮舫氏に投票するとした人は「医療や福祉」を重視。清水氏に投票予定の人は「防災対策」にも期待した。安野氏に投票するとした人は「教育や子育て」、田母神氏に投票予定の人は「防災対策」、石丸氏に投票予定の人は「行財政改革」がそれぞれ最も多かった。
調査はコンピューターで無作為に選んだ番号への自動音声応答通話(オートコール)方式を使い、都内の有権者と答えた1038人(固定電話523人、携帯電話515人)から有効回答を得た。