6月の各社世論調査、岸田首相は「自民総裁選まで」が最多 7月の調査結果は政局に影響も(2024年6月25日『産経新聞』)

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自民党役員会に臨む(左から)小渕優子選対委員長、渡海紀三朗政調会長茂木敏充幹事長、岸田文雄首相、麻生太郎副総裁ら=25日午前、党本部(春名中撮影)
自民党菅義偉前首相による事実上の退陣要求で、岸田文雄首相(党総裁)の政権運営は重大な局面を迎えようとしている。
6月の報道各社の世論調調査でも岸田首相への評価は厳しく、内閣支持率は最も高くても15、16日実施の産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)の31・2%にとどまる。首相自身に「早く辞めてほしい」「9月の総裁任期まで」と退陣を求める回答も大半を占めるようになっている。7月調査の動向は見通すことはできないが、調査結果が党内政局に影響する可能性もある。
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次期衆院選での「政党議席予測」(5月27日時点)
各社の6月調査の内閣支持率は低い順から、毎日新聞調査17%(22、23日実施、前回比3ポイント減)▽朝日新聞調査22%(15、16日実施、前回比2ポイント減)▽共同通信調査22・2%(22、23日実施、前回比2・0ポイント減)▽読売新聞調査23%(21~23日実施、前回比3ポイント減)|となっている。日本経済新聞社は今月の調査結果を現時点で公表していない。
産経FNN以外の各社の調査はいずれも下落傾向で2~3ポイント減少した。調査時期や調査手法が異なるため、結果に差異が生じているとみられる。
産経FNN調査では、内閣の「支持」「不支持」を尋ねる際、答えが不明確な場合は「どちらかと言えば」と再度、質問して回答を得ている。そのため、「支持」「不支持」の数値が高くなりやすい。
■岸田首相「続投」は1割台
今月調査で、岸田首相にいつまで首相を続けてほしいかを産経FNNを含め数社が尋ねているが、いずれも「9月の総裁選まで」の回答が最も多く、半数程度を占めている。
産経FNN調査では、最も多い「9月の総裁任期まで」が55・9%を占め、「すぐに交代してほしい」(25・6%)とあわせると8割に達した。「9月以降も続けてほしい」は16・1%だった。
読売調査では「すぐに交代してほしい」が29%、「総裁の任期が切れる9月まで」が54%、「できるだけ長く」は12%だった。
共同調査では「できるだけ早く辞めてほしい」が36・6%、「9月の総裁任期まで続けてほしい」は48・0%、「次の総裁選で再選し、続けてほしい」は10・4%だった
■毎日調査では「自公」より「自公維」政権
次期衆院選後の政権の在り方についても、産経FNNを含めいくつかの社が今月調査で聞いている。
産経FNN調査は「自民、公明中心の政権の継続」が43・7%、「今の野党を中心とした政権交代」は43・9%で、現状の枠組み維持と政権交代が半々となった。読売調査では政権の継続が46%、政権交代は42%だった。
独特の質問をしているのが毎日調査で、最も多い回答は「立憲民主党を中心とする野党連立政権」の33%だが、「自民、公明に日本維新の会を加えた政権」を選択肢に入れており、回答は15%だった。現行の「自民、公明の連立政権」(11%)を上回る結果となった。