6月は「サギ阻止月間」、警官がコンビニを毎日巡回…店員「とても心強い」(2024年6月17日『読売新聞』)

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「コンビニ立ち寄りメモ」を手にした丹波署員(左)の説明を聞くコンビニの従業員(丹波市柏原町で)
 
 兵庫県丹波署が、特殊詐欺被害の防止に向け、対策を強化している。コンビニで電子マネーを購入させてだまし取る手口が後を絶たないため、署独自の「コンビニ立ち寄りメモ」を作り、手分けして丹波市内のコンビニを毎日巡回。詐欺についての知識を確認するなどのチェック項目を記したメモを基に従業員に注意を促している。(田上秀樹)
 県警と県コンビニエンスストア防犯対策協議会は6月を「サギ阻止月間」に定めており、同署はこの強化運動と連動した。コンビニの巡回は今月から始め、市内で電子マネーを取り扱う22店舗を警察官が1日1回以上立ち寄り、各店舗には「丹波署立寄警戒強化中」のプレートも掲示した。
 立ち寄りメモはA4判で、阻止月間のチラシや詐欺被害の可能性がある客への「声かけシート」の有無のほか、特殊詐欺手口についての従業員知識の確認、客への声かけ訓練の実施などのチェック項目を並べた。
 ファミリーマート柏原南多田店(柏原町)の女性店員(56)は「警察官が立ち寄ってくれることはとても心強い。特殊詐欺への意識も高まり、犯罪の抑止にもつながる」と話す。同署生活安全課の川崎裕一朗・生活安全係長(37)は「コンビニとの連携を密にして特殊詐欺の被害防止に全力で取り組む」と強調する。
 県警によると、昨年の県内の特殊詐欺の認知件数は1224件、被害額は約21億9000万円でいずれも過去最多だった。コンビニなどで電子マネーをだまし取られた被害は368件で前年より98件増加した。
 丹波市では今年5月、高齢男性が復旧費用などの名目で金銭をだまし取ろうとする「サポート詐欺」被害に遭い、コンビニで購入した4万円分の電子マネーをだまし取られている。
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