つばさの党・女性議員、何度も問題発言「宗教団体が集団ストーカー」…品位をおとしめた52歳、「懲罰」を検討へ 一転し謝罪「発言を深く反省。私と違う視点があることに気付いた」(2024年6月15日『埼玉新聞』)
キャプチャ
議場で懲罰動議に対する弁明を行う外山麻貴議員=14日午前、朝霞市議会
 埼玉県朝霞(あさか)市議会は14日の6月定例会で、「不穏当発言を重ね、議会の品位をおとしめた」などとして、政治団体「つばさの党」所属の外山麻貴議員(52)に対する懲罰特別委員会を設置した。代表ら幹部が公選法違反容疑で逮捕された同党を念頭に議員提出された議員のモラルや秩序など理念を規定した「政治倫理条例」と、議員らが刑事事件などにより逮捕などされた場合、議員報酬の差し止めなどをする「議会の議員の議員報酬等の支給の一時差し止め等に関する条例」の条例制定案などの討論の発言を指摘した。
つばさの党が乱入…外山議員が関与した動画も「不当逮捕だ」 花火中に注意され、押しかけた夜
 弁明のため登壇した外山氏は同日、「議会の名誉を傷つけるような発言を深く反省し、指摘されている発言は撤回し、謝罪したい。議会の品位をおとしめて大変申し訳なかった」と陳謝した。
 懲罰動議によると、条例制定案などの審議を巡り、外山氏は「これまで議員提出の条例はほぼ作られていない」「組織的な宗教団体による集団ストーカー被害がある」「市が人権侵害に当たる条例を数の力で通す」など議会などへの誹謗(ひぼう)や人権侵害に関わる発言を行った、としている。同市議会は10日、条例制定案2件のほか、昨年12月の市議会議員選挙で「特定の陣営が長時間にわたり駅前を独占したり、他党の批判を続けるなどの行為があった」などとして、市民から提出された「議員の秩序とモラルの議論を求める請願」を採択。これを受け保守系会派らが提出した外山氏に対する問責決議を可決している。
 問責決議などの審議の際、謝罪に関する発言はなかったが、発言の撤回と謝罪をしたことについて、外山氏は「動議を詳細に読み込んで、私と違う視点があることに気付き、支援者らも含めて検討して決めた。今後は指摘されるようなことはしない」と話している。
 

「つばさ」市議、妨害正当化 自宅押しかけ、脅迫まがいの言動も 問責決議、報酬差し止め条例可決 朝霞市議会(2024年6月11日『埼玉新聞』)
 
「つばさ」市議、妨害正当化 問責決議、報酬差し止め条例可決=朝霞市
キャプチャ
 
 朝霞市議会は6月議会初日の10日、議員のモラルや秩序などを規定した「政治倫理条例」と議員が逮捕された場合、議員報酬の差し止めなどをする「議会の議員の議員報酬等の支給の一時差し止め等に関する条例」の条例制定案2件、公選法違反容疑で代表らが逮捕された政治団体「つばさの党」に所属する外山麻貴議員(52)=2期=に対する問責決議をいずれも賛成多数で可決した。
 昨年12月に行われた市議会議員選挙に絡み、同市議会は「特定の陣営が長時間にわたり、駅前を独占したり、他党の批判を続けるなどの行為があった」などとして、市民から提出された「朝霞市議会議員の秩序とモラルについて市議会での議論を求める請願」を採択した。
 これを受けて、同市議会の保守系の4会派代表らが条例案を作成するとともに、この日、外山議員に対する問責決議も提出した。
 決議文によると、衆院東京15区の補選を巡り、つばさの党は他候補の選挙演説への乱入や拡声器による妨害などを行い、外山議員が関与を示す動画も確認できる。同党代表らの逮捕後、外山議員は仮の代表と称し、「言論の自由だ」「不当逮捕だ」などと自らを正当化している。
■市民から請願受けて条例案(以下初報記事)
 朝霞市議会(岡﨑和広議長)の最大会派を含む保守系4会派の代表らは6日、今月10日開会の6月議会に、議員のモラルや秩序などを規定した「政治倫理条例」と、議員らが刑事事件などにより逮捕などされた場合、議員報酬の差し止めや支給を停止する「議会の議員の議員報酬等の支給の一時差し止め等に関する条例」の2議案を議員提出する、と発表した。
 昨年12月に行われた市議会議員選挙に絡み、「候補者を擁立した関係者らが長時間にわたり駅前を占拠したり、他党の批判を続けるなどの行為があった」などとして、市民から提出された「朝霞市議会議員の秩序とモラルについて市議会での議論を求める請願」を3月議会で採択したことを受け、条例案を作成した。
 二つの条例案は市議24人のうち、議長と無所属を除く4会派の計20人が賛同、10日に可決する見通し。可決されれば、同日から施行する。
 条例案を提出するのは市議会の「あさか未来」(田原亮代表)と「進政会」(野本一幸代表)、「公明」(利根川仁志代表)、「立憲・歩みの会」(黒川滋代表)の4会派。
 4会派によると、政治倫理条例は審査会の設置や問責、罰則などはなく、議員のモラルに特化した理念条例。議員報酬の一部差し止め条例は、県内では議員報酬条例の中で明文化している市はあるが、報酬の差し止めや不支給だけを条例化しているのは、可決されば、さいたま市に次いで2例目という。
 条例案のきっかけとなった同請願によると、昨年の12月の市議会議員選挙で、特定の陣営が数時間も駅前を独占したり、政策とは関係ない他党の非難を延々と続けたり、駅前のエスカレーターで無理やりチラシを渡そうとしたため、市民から苦情や怒りの声が上がっている。
 また、昨年11月の打ち上げ花火のイベントの雑踏で政治活動を行っていた現職議員を注意したことを受け、夜間に注意した議員の自宅に押しかけたり、議場の発言を巡り、議員に対して「街宣する」「ロックオンする」などと脅迫まがいな言動を行っているという。
 こうした選挙運動や言動に対して、請願は「改善策を見いだすことなく放置すれば、今後の選挙も無秩序を招き、多くの市民に迷惑をかける」と指摘し、街頭における広義の政治活動の秩序とモラルについて、倫理条例などの制定を視野に入れた市議会全体の議論を求めている。
 この日、会見を行った会派の代表らは「条例ができても罰則があるわけでもない。しかし、条例を作ることで各議員が自粛した行動を取ってくれれば」などと話した。

議員提出議案第5号
外山麻貴議員に対する問責決議
上記の議案を朝霞市議会会議規則第14条の規定により、別紙のとおり提出する。
令和6年6月10日提出
提出者
提出者
提出者
提出者
朝霞市議会議長 様
朝霞市議会議員 田 原 亮
朝霞市議会議員 野 本 一 幸
朝霞市議会議員 利根川 仁 志
朝霞市議会議員 黒 川 滋
外山麻貴議員に対する問責決議
令和6年3月19日に朝霞市議会にて採択された「朝霞市議会議員の秩序とモラルについて市議会での議論を求める請願」では、令和5年12月の朝霞市議会議員選挙において健全とは言えない無秩序な状況が各所で見られたこと、また、警察や選挙管理委員会、他の候補者を含む選挙関係者に対し、市民からの苦情や苦言が非常に多く寄せられた選挙であったことについて、具体例とともに指摘があった。
この請願は、これらの寄せられた市民の声に対し、改善策を実施することなく放置するならば、今後の選挙においても昨年末の選挙と同様の混乱を招き、多くの市民に政治不信を広げることとなるとして、市民の受忍限度の観点から朝霞市議会議員としての秩序とモラルを朝霞市議会として真剣に考えるよう求めたものであり、賛成多数で採択した朝霞市議会の意思でもある。
ところが、外山麻貴議員が所属するつばさの党が、令和6年4月16日告示の衆議院東京15区補欠選挙において、他の候補者の選挙演説への乱入や拡声器を使用しての妨害、交通妨害等により逮捕者を出す状況となり、外山麻貴議員本人もその関与を示す動画がSNSや動画配信サイトで確認できる。
つばさの党が逮捕者を出した後は、外山麻貴議員は、自ら当該政党の仮の代表と称し、「ちょっとお行儀が悪かったかもしれない」「言論の自由だし、他の候補者に対して質問しに行くことで逮捕されるなら、民主主義の破壊で言論弾圧だ」「マスコミが取材しない、報道しないという声を受けてやっている」「不当逮捕だ」などと、自らを正当化している。
太鼓をたたいたり、電話ボックスの上に登ったりする行為、他の候補者の面前で拡声器を使用して演説を妨害する行為、ドライバーとして他の候補者の選挙街宣車を付け回す行為、これらの一連の行為を撮影・発信して恐怖を与える行為など、つばさの党による組織的な妨害行為に対する反省が見られない外山麻貴議員の言動の数々は、到底受け入れられるものではなく、先に採択された請願の主旨と朝霞市議会の意思をないがしろにするものである。
また、選挙妨害の様子を取り上げた動画には、小学生と見られる子供から「大人として恥ずかしくないの」と大声で注意される様子が写っており、子供達への影響が指摘できる。成人年齢が18歳に引き下げられ、本市においても中学校や高校において主権者教育に取り組んでいる中、子供達への政治的信頼を失わせる悪影響を全く考えない言動や態度には、自戒を強く求める。
現在、朝霞市議会や議員に対し、このような暴挙に対して、つばさの党に所属する外山麻貴議員への抗議が非常に多く寄せられ、朝霞市議会がどのように対応するのかが注目されている。
採択した請願にも記載のあるとおり、衆議院東京15区補欠選挙以前から、つばさの党の関係者からSNS上で、「議員の事務所と自宅に街宣をかける」とか、議員の実名を挙げて「ロックオンした」という脅迫があった。さらには、今回の選挙妨害事件で逮捕された人物らと外山麻貴議員本人が、動画配信サイトでライブ中継をしながら、議員の自宅に怒鳴り込んでくるなど、本市の議員の家族も被害を受けている。
外山麻貴議員は、衆議院東京15区補欠選挙で行われた悪質な妨害行為を現在も正当化し、脅迫や嫌がらせなどの行為を「言論の自由」だとして否定していない。いずれにせよ、議会人が選挙や議会の存立そのものを危うくするような言動は、厳に慎むべきである。
市民の受忍限度という観点から秩序とモラルを求めた請願の採択、そして、朝霞市政治倫理条例の制定によって、朝霞市議会はこのような暴挙に毅然と立ち向かう姿勢を示すとともに、外山麻貴議員に対して猛省を促し、公職にある
者としての責任を強く問うものである。
以上、決議する。
令和6年6月10日
埼玉県朝霞市議会